「Bing」の大幅アップグレードでGoogleを追撃!? Microsoftが「OpenAI」に最大100億ドルの投資をするワケ:本田雅一のクロスオーバーデジタル(2/4 ページ)

» 2023年02月08日 06時00分 公開
[本田雅一,ITmedia]

アイディアを口にするだけでプログラムが完成!?

 ここで少し情報を整理しておこう。2019年に投資した段階で、MicrosoftはOpenAIと言語モデル「GPT-3(Generative Pretrained Transformer 3)」のコードを独占的に利用できるライセンス契約を締結していた。先日紹介した「ChatGPT」は、GPT-3の最新モデル「GPT-3.5」の技術的ショーケースという扱いである。

 GPT-3には異なるパラメーター調整や学習が施された「エンジン」が幾つかあり、APIを介して任意のエンジンをするという形態を取っていおり、現状ではクラウドサービス経由でのみ利用可能だ。

 なぜこうなったという点だが、GPTの開発プロジェクトはかつて比較的オープンな体制で進められていた。しかし、GPT-3の前身に当たる「GPT-2(Generative Pretrained Transformer 2)」は、英語限定ながらも比較的自然な文章を生成できるようになったため、悪用を危惧して公開範囲を限定したという経緯がある。

 なお、先に紹介したChatGPTについては、OpenAIが機能を丸ごとAPI化したものを利用できるようになる予定で、現在はウェイトリストにおいて希望者を募っている。

ChatGPT ChatGPTのAPI利用は、ウェイトリストで利用者を募集している所である

 OpenAIの顧客は、予算や目的に応じて利用したいAIモデルを選択し、自分たちの開発するアプリケーションから使用することになる。ただし、先述の通りクラウド上のAPIを介して利用しなければならない。

 一方で、先述の通りMicrosoftはGPT-3について、APIを介さずにアクセスできる独占的ライセンスを保有している。その活用の典型例が、Microsoftのノーコード/ローコードプログラミングツール「Power Apps」での活用だ。

 ノーコード/ローコードプログラミングツールは、テンプレートやマウス操作でプログラミング言語を知らなくてもプログラム(アプリ)を作成できることが特徴だ。Microsoftは2021年5月、Power AppsにGPT-3を組み込み、話し言葉から必要なコードや数式を類推し、プログラムに反映できるようにした。

 例えば「データベースAから、“PC USER”と“Microsoft”を含む記事を探して、その中から2020年以降、筆者が“本田雅一”の記事を古い方から順に並べて」と話かけると、それを「Power Fx」(PowerAppsを含む「Power Platform」で共通利用できる数式言語)に変換して提示してくれる。

 プログラムの論理構造はビジュアル化しやすいが、検索クエリをシンプルに使ってもらうのは難しい。そこで「やりたいこと」に対してGPT-3が間に入り、必要なクエリを生成することでアプリ開発のハードルを下げることができるというわけだ。

PowerFx Power Appsで利用できる共通数式言語「Power Fx」は、GPT-3を利用した自然言語入力でも生成できるようになっている。画像は英語の例だが、日本語でも同様に生成可能だ(出典:Microsoft)

 他にも使い道はたくさんある。例えば「表の空欄を埋める」といった作業をChatGPTで行えるGoogle スプレッドシート用のプラグインも登場している。

 ただ、現時点では質問に対する応答(答え)に確実性がなく、お試しにやってみて将来の可能性を感じる程度にとどまる。

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