お勧めしたくなる出来の良さ! ソリダイムのハイエンドM.2 SSD「P44 Pro」の実力をチェック(2/2 ページ)

» 2023年02月22日 12時00分 公開
[迎悟ITmedia]
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ベンチマークテストでパフォーマンスをチェック!

 P44 Proには512GB、1TB、2TBの3モデルが用意されている。公称のスペックは以下の通りで、容量によって書き込み速度やTBW(寿命)が異なる

  • シーケンシャル(連続)読み出し:最大毎秒7000MB
  • シーケンシャル書き込み
    • 512GBモデル:最大毎秒4700MB
    • 1TB/2TBモデル:最大毎秒6500MB
  • TBW(書き込み寿命)
    • 512GBモデル:500TBW
    • 1TBモデル:750TBW
    • 2TBモデル:1200TBW

 カードのフォームファクターはM.2の「Type2280(幅22×長さ80mm)」で、インタフェースはPCI Express 4.0 x4となる。

スペック P44 Proの主なカタログスペック

 ここからは、P44 Proの1TBモデルの実力をベンチマークテストでチェックしていこう。今回のテスト環境の主な仕様は以下の通りだ。なお、P44 Proにはマザーボードに付属するヒートシンクも取り付けている。

  • CPU:Ryzen 9 7900(12コア24スレッド)
  • マザーボード:ASUS CROSSHAIR X670E EXTREME(AMD X670Eチップセット)
  • メインメモリ:DDR5-6000 16GB DIMM×2(オーバークロック駆動)
  • グラフィックスカード:GeForce RTX 3060 Ti
  • OS:Windows 11 Pro

CrystalDiskMark 8.0.4

 まず、ストレージのベンチマークテストアプリとしては定番の「CrystalDiskMark 8.0.4」を実行して、読み書きの速度をチェックしてみよう。今回は設定で「NVMe SSD」を選択した上で、データパターンを「デフォルト」と「All 0x00」の2種類で計測した。

 データパターンだが、デフォルトではランダムなデータを含むファイルを生成してテストをするため、SSDの“素の性能”を確認しやすい。一方で、All 0x00でのテストは、その名の通りゼロデータで埋め尽くされたファイル(≒圧縮しやすいファイル)でテストを行うため、SSDによってはカタログスペックよりも「かなり高速」な結果が出ることもある。

 シーケンシャル(SEQ1M Q8T1)とランダム(RND4K Q32T1)の実測結果は以下の通りだ。

  • デフォルトパターン
    • シーケンシャルリード:毎秒7368.40MB
    • シーケンシャルライト:毎秒6457.09MB
    • ランダムリード:毎秒4776.74MB
    • ランダムライト:毎秒2790.12MB
  • All 0x00パターン
    • シーケンシャルリード:毎秒7293.58MB
    • シーケンシャルライト:毎秒6453.85MB
    • ランダムリード:毎秒4793.07MB
    • ランダムライト:毎秒2847.42MB

 どちらのデータパターンでも、おおむね公称通りのパフォーマンスを発揮できている。何度かテストを繰り返したが、結果は上記のものとおおむね変わらなかったので、しっかりと冷却できれば期待通りに働くSSDといえるだろう。

 特筆すべきは、ランダムの読み書きスピードの高速さだろう。これだけの速度が出ていれば、基本的にどんな用途でも困ることはないはずだ。

CDM CrystalDiskMark 8.0.4(デフォルトパターン)の結果
CDM CrystalDiskMark 8.0.4(All 0x00パターン)の結果

PCMark 10/3DMark(ストレージテスト)

 続いては、PCの総合ベンチマークテストアプリ「PCMark 10」と、3Dグラフィックスのベンチマークテストアプリ「3DMark」に内包されたストレージテストを実行してみた。

 とりわけ3DMarkについては「何でストレージテストがあるの?」と思う人もいるかもしれないが、最近はゲーミングにおいても高いストレージの性能が求められるタイトルが存在することを受けて実装されたようである。

 スコア的には、PCMark 10なら2000ポイント以上、3DMarkなら2500ポイント以上を記録すれば「高速なストレージ」といえるのだが、どうなるだろうか……?

  • PCMark 10:3171ポイント
  • 3DMark:3526ポイント

 いずれのアプリでも十分すぎるほどに「高速なストレージ」判定となった。P44 Proは、日常的なアプリケーションの起動や操作はもちろん、重たいゲームタイトルを遊ぶ際にも十分なパフォーマンスを発揮してくれるSSDといえる。

PCMark 10 PCMark 10の結果
3DMark 3DMarkの結果

「SOLIDIGM Storage Tool」も便利!

 SolidimgのSSDには、専用のデバイスドライバーやユーティリティーアプリが用意されている。どちらも公式サイトからダウンロードができるので、P44 Proを載せたPCをセットアップする際は、合わせて導入しておきたい。

 専用ユーティリティーアプリ「SOLIDIGM Storage Tool」ではストレージ情報の表示とファームウェアの更新などが行える。推定残存寿命やSSDの現在の温度を確認することができるので、「やけに読み書きの速度が遅いなぁ」と感じた際などに開いてみると、SSDに発生している問題をすぐにチェックできる。

 またこのアプリからは、最新のファームウェアも適用可能だ。パフォーマンスアップやPCの安定動作に寄与する更新も簡単に行える。

 加えて、データを完全に消去する「セキュアイレース」にも対応している。滅多にないとは思うが、PCを他人に譲ったりSSDを破棄する際に、しっかりとデータ消去を、ユーティリティー上から容易に行えるのは便利かつ安心な要素といえるだろう。

SST P44 Proを組み込んだら、SOLIDIGM Storage Toolも合わせて入れておきたい

P44 Proはハイエンド分野における「選びたくなるSSD」

 今やPCI Express 4.0接続のSSDは主流となった。廉価モデルや省電力を強く重視するモデルでもない限り、メーカー製PCが標準搭載するSSDは、おおむねPCI Express 4.0接続である。

 ソリダイムのP44 Proは、PCI Express 4.0接続のM.2 SSDとしてはある意味で“最後発”となるが、高速な読み書きを実現しつつも、安定して動作するという点において後発の強みを十分に発揮している製品であると思う。

 これから選ぶハイエンドのSSDとして、P44 Proは“選びたくなる”選択肢の1つとなることは間違いない。皆さんも、ぜひ注目してみてほしい。

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