ディスプレイには「ROG NEBULA HDR」と呼ばれるハイスペックな16型ミニLED液晶を搭載している。アスペクト比は16:10で、画面解像度は2560×1600ピクセルだ。
ミニLED液晶ディスプレイとは、極小サイズのLEDを細かいゾーン単位でバックライトに利用し、ゾーンごとに輝度制御(ローカルディミング)を行うことで、一般の液晶ディスプレイが苦手な高度なコントラスト表現を可能にしたものだ。
本製品は1024ゾーンのローカルディミング制御に対応し、コントラスト比は10万:1、最大輝度は1100ニト、DCI-P3 100%の広色域をカバーする。VESAが定めるHDR向けディスプレイの基準の中でも上位の「DisplayHDR 1000」に準拠するなど、ノートPCとしては異例のハイスペックな内容となっている。Dolby Vision、カラーサイエンス大手のPANTONEによる色再現性の認証も取得済みだ。
実際に見ても画面は非常に明るく、80%程度の明るさでもまぶしいくらいである。先日レビューした最大輝度500ニトの「ROG Strix SCAR 18(2023)」と比べても明らかに明るく、1100ニトという高輝度も納得だ。
さらに、リフレッシュレートは通常の4倍となる240Hz、応答速度も3msと高速で残像感皆無の滑らかな表示が行える。FPSや格闘タイトルなど、一瞬の動きや反応の見極めが勝負を分けるゲームも有利な条件でプレイできる。
リフレッシュレートをフレームレートに合わせるディスプレイ同期技術「G-SYNC」にも対応しており、リフレッシュレートとフレームレートのギャップが原因で起きるテアリング(画面の乱れ)や、スタッタリング(カクつき)を抑えられる。
搭載するCPUはIntel Core i9-13900Hで、1月に発表されたばかりのノートPC向けの第13世代Coreプロセッサだ。PBP 45WのHシリーズの中では上位のモデルとなる。
GPUは、NVIDIA GeForce RTX 4090 Laptop(グラフィックスメモリは16GB)だ。こちらも1月に発表されたばかりのゲーミングノートPC向けで最高峰となるGPUを、いち早く搭載している。
メモリはDDR5-4800を32GB、ストレージはPCI Express 4.0 x4対応の高速SSDを2TB装備する。妥協のないハイスペックをスリムなボディーに詰め込んでいる。
薄型ボディーで高い性能を発揮させるため、トリプルファンの大規模な冷却システム(Frost forceテクノロジー)を搭載する。熱伝導率に優れた液体金属グリス、330枚ものフィンを備えた全銅製の大型ヒートシンク「Pulsarヒートシンク」、特殊形状のフィンで乱気流を減らし、エアフロー効率を最適化した「Arc Flowファン」といった最先端の技術が導入されている。
プリインストールのArmoury Crateユーティリティーでは、「Turbo」「パフォーマンス」「サイレント」と3種類の動作モードを選べる。Turbo時の最大TGPが145W、CPUとGPU同時負荷状態ではCPU 40W+CPU 120Wでの動作が可能になっているという。
また、Armoury Crateの「GPUモード」を「Ultimate」にすると、GPUのパフォーマンスをさらに向上できる。通常は「NVIDIA Advanced Optimus」により、利用するアプリケーションごとにRTX 4090 LaptopとCPU内蔵GPU(Intel UHD Graphics)を切り替えることで電力効率を最適化するが、GPUモードをUltimateにした場合は、Optimusが解除されて常にNVIDIA GPUが利用される。
そのぶん消費電力は上昇するが、GPUをスイッチするロスがなくなるため、ゲームや設定によってはさらなる性能の向上が見込める。
続いて、インタフェースやキーボード回りをチェックする。
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