vPro対応の第13世代Coreプロセッサは、全モデルが「パフォーマンスコア(Pコア)」と「高効率コア(Eコア)」のハイブリッド構造を取っている。特にバックグラウンド処理のパフォーマンス改善におけるEコアの貢献は大きい。
……のだが、一般的な企業にとって、PCのリプレース(置き換え)間隔はおおむね3〜5年程度とされている。「いくら快適だからといって、そうそう簡単に置き換えられないよ」という声が聞こえてきそうである。
しかしIntelは「PCを買い換えることはもはやぜいたくではない。賢い選択だ」として、3年前のPC、つまり第10世代Coreプロセッサを搭載するPCからのリプレースを推奨している。
その理由として、先述のセキュリティ面での進歩はもちろん、ハイブリッドコアがもたらす処理パフォーマンスの向上も挙げている。加えて、主にノートPCにおける先進機能(Wi-Fi 6E、Thunderbolt 4など)も利用できるようになる。「たかが3年、されど3年」ということなのだろう。
vPro対応の第13世代Coreプロセッサは「Intel Stable IT Platform Program(SIPP)」の対象となっている。SIPPは約20年の歴史を持つプログラムで、PCメーカーやOSベンダー(Microsoft)の協力の下、広範なハードウェア/ソフトウェアの検証を経て認定を行う仕組みである。
「リプレースは検証や展開も大変」という声もありそうだが、SIPP認定を受けているということは一定の信頼性と互換性は確保されているということになる。検証や展開にかかるコストをある程度削減できることもメリットといえる。
PCのリプレースを考える際に、コストパフォーマンスの面で優れているとされるAMDのCPU/APU「Ryzen PROシリーズ」を搭載するPCを検討する企業もあるだろう。クリエイターの多い職場であれば、Apple Silicon搭載のMacという選択肢もある。そうでなくとも、これから値段がこなれてくると思われる、vPro対応の第12世代Coreプロセッサ(開発コード名:Alder Lake)を搭載するPCが選ばれることも十分にあり得る。
そのことを念頭に置いてか、Intelはこれらと第13世代Coreプロセッサとの比較も行っている。
まず第12世代Coreプロセッサとの比較だが、同社がよく言及する「現実世界におけるパフォーマンス」において最大1割程度のパフォーマンス向上が見込めるという。これはPコアの最大クロックの向上やEコアの追加(デスクトップ向けのみ)による部分が大きい。1世代(≒約1年)の差でも、これだけのパフォーマンス向上を図れるというアピールである。同じ比較を第10世代Coreプロセッサと行うと、最大で1.5〜2.3倍の差となる。
そしてAMDの最新CPU/APUを搭載するPCやApple M2チップ搭載のMacと比べても、現実世界におけるパフォーマンスはより高いという。
vPro対応の第13世代Coreプロセッサを搭載するPCは、2023年内に170モデル超が登場する予定である。Intelは、このラインアップの豊富さも、競合に対する強みとしてアピールしている。
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