インテルは2月9日、第11世代Core vProプロセッサ(開発コード名:Tiger Lake)に関する説明会を開催した。
第11世代Core vProプロセッサは、第11世代Coreプロセッサ(開発コード名:Tiger Lake)をベースに以下の機能を追加したものだ(※印の付いている機能はこの世代から新規搭載)。
CPUのラインアップは、UP3(旧来の「Uプロセッサ」に相当)とUP4(旧来の「Yプロセッサ」に相当)でそれぞれ2種類ずつ用意している。
対応するメインメモリの規格は、DDR4-3200またはLPDDR4X-4266となる。
対応するメインメモリの規格はLPDDR4X-4266のみとなる。
Tiger Lakeは第10世代Coreプロセッサ(開発コード名:Ice Lake)をベースに機械学習ベースのAI(人工知能)の処理速度を向上し、内蔵GPUを「Intel Xeアーキテクチャ」ベースに移行することでグラフィックス性能やGPUを使ったAI処理性能を改善した。
同アーキテクチャに属する第11世代Core vProプロセッサは、第10世代Coreプロセッサ(開発コード名:Comet Lake)から「脅威的な性能進化」を果たしているという。インテル社内で実施したCore i7-1185G7とCore i7-10610U(1.8GHz〜4.9GHz、4コア8スレッド)の比較テストでは、パフォーマンスの向上を以下の通り確認できたとのことだ。
Comet Lakeにはない機械学習用の命令やGPUの性能向上によって、特にAI処理とビデオ編集の処理性能の伸び幅は大きくなっている。その他の処理でも、ベースクロックの向上によって性能の底上げを果たした様子が伺える。
競合のAMDはモバイル向けのRyzen 5000プロセッサを発表している。このプロセッサはシングルコア性能やバッテリー駆動時のパフォーマンスを向上したことが特徴だが、vProプロセッサと競合することになる「PROプロセッサ」はまだ世に出ていない。
そこでインテルは、モバイル向けRyzen 4000シリーズのPROプロセッサで最上位となる「Ryzen 7 PRO 4750U」(1.7GHz〜4.1GHz、8コア16スレッド)とCore i7-1185G7を比較した。すると、Ryzen 7 PRO 4750Uを基準としてCore i7-1185G7は以下のようなパフォーマンスを発揮したという。
Ryzen 7 PRO 4750UのCPUコアとスレッドの数は、Core i7-1185G7の2倍だ。しかし現代における「実際の利用環境」に即してテストをすると、半分のコアとスレッドしか備えないCore i7-1185G7の方が性能がよいということをアピールした格好だ。
第11世代Core vProプロセッサの登場に合わせて、インテルは新たな認証プログラム「Evo vProプラットフォーム」を開始した。既存の「Evoプラットフォーム」の要件に加えて、vProプラットフォームの要件を満たしたノートPCに認証が与えられる。
参考として、Evoプラットフォームの主な要件を列挙する。
EvoとvPro両方の要件を満たす必要があることから、Evo vProプラットフォームを取得するためのテストは「(PCメーカーにとって)非常に難易度の高い」ものとなる。しかし、認証を取得できたノートPCは「IT部門のニーズと卓越したモビリティーを実現する、最高峰のエンタープライズPC」というお墨付きをインテルから得たということになる。
信頼性と性能を両立したビジネスPCが欲しいのであれば、Evo vProプラットフォームのロゴを目印に選ぶようにするとよいだろう。
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