Intelの第12世代Core vProプロセッサ(開発コード名:Alder Lake)では、企業向けの管理/セキュリティ機能である「Intel vProプラットフォーム」が大企業での利用を想定した「Intel vPro Enterprise」(従来のvProに相当)と、中小企業や個人事業主で必要な最小限の管理/セキュリティ機能を厳選して搭載する「Intel vPro Essentials」の2系統に分かれる。
第12世代Core vProプロセッサを搭載するPCが本格的にリリースされるのを前に、Intelが第12世代Core vProプロセッサの詳細を説明した。
第12世代CoreプロセッサにおけるvProは「Enterprise」と「Essentials」の2系統に細分化される。従来のvPro(大企業向け)に相当するvPro Enterpriseでは、初めてChrome OSデバイス(Chromebook/Chromebox)に対する認証付与を実施する
第12世代Core vProプロセッサでは、以下のセキュリティに関わる新要素を搭載している。
- OS自身の仮想化を想定したシリコンベースのセキュリティ機能の搭載
- インジェクションアタック(コードインジェクション)対策を支援するためのチップセットの拡張
- ローレベル攻撃(OSよりも下層を狙った攻撃)に対する耐性強化
- 幅広いセキュリティ規格への対応
- Chrome OSに対するシリコンベースの保護
第12世代Core vProプロセッサにおける新要素。全体的には物理的なものを含む「低レベル攻撃」への対策を強化している印象だ
ランサムウェアやソフトウェアのサプライチェーンへの攻撃を検知する機構をハードウェアベースで搭載している。複数のパートナー企業が提供するセキュリティソフトウェア(ソリューション)がこの機能に対応するという
第12世代Core vProプロセッサでは、Chrome OSでも管理/セキュリティ機能を利用できる。vPro Enterpriseに準拠するChromebookやChromeboxも登場する見通しだ
既報の通り、第12世代Coreプロセッサは処理パフォーマンスを重視する「パフォーマンスコア(Pコア)」と処理効率(省電力性)を重視する「効率コア(Eコア)」を混載する構成となっている(※1)。処理内容に応じて適切なコアに処理を割り振ることで、より高速な処理を実現している(参考記事)。
(※1)デスクトップPC向けCPUにはEコアを省いたものもあります
第12世代Core vProプロセッサは、そこにより高度な管理/セキュリティ機能を追加したものである。IntelはこのCPUを搭載するPCの導入は「人々や従業員のさらなる繁栄につながる」と自信をのぞかせている。Wi-Fi(無線LAN)越し、あるいはクラウド経由で管理を行えることも強みだとアピールしている。
AMDの「Ryzen 5000シリーズ」と比較して高いビジネスパフォーマンスを発揮することをアピールしている。ただし、モバイル向けには既に「Ryzen 6000シリーズ」が登場しているので、それと比較するとどうなるのかは未知数だ
第12世代Core vProプロセッサは「コラボレーション(協業)」に最適化されたプロセッサだという。「ながら作業」の快適さと、Wi-FiやThunderbolt 4における接続性の高さを合わせてアピールする作戦のようである
パートナー企業のソリューションをうまく組み合わせることで、Wi-Fi越しやクラウド(インターネット)を介した管理に対応できることもvProの強みだという
Intelによると、第12世代Core vProプロセッサを搭載するPCは、150超がリリースされる予定だという。日本のメーカーではパナソニックと富士通(富士通クライアントコンピューティング)も名前を連ねている。
第12世代Core vProプロセッサを搭載する製品は150超がリリースされる予定。メーカーとしてパナソニックと富士通(富士通クライアントコンピューティング)も名を連ねている……のだが「Project AthenaベースのデスクトップPC」というものが非常に気になる所である
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