Intelは2月23日(米国太平洋時間)、モバイル向け第12世代Coreプロセッサ(開発コード名:Alder Lake)のうち、基本消費電力(PBP、※1)が24Wの「Pプロセッサ」と15Wまたは9Wの「Uプロセッサ」を搭載するPCが3月から順次発売される見通しであることを発表した。Acer、ASUSTek、Dell Technologies、富士通クライアントコンピューティング、HP、Lenovo、LG、MSI、NECパーソナルコンピュータ、Samsung Electronicsなどから200超の新モデルが投入されるという。
この記事では、Intelが報道関係者向けに開催した説明会の内容をもとに、Pプロセッサ/Uプロセッサと第3世代の「Intel Evoプラットフォーム」の詳細を解説する。一部発表済みの内容も含まれるが参考になれば幸いだ。
(※1)Processor Base Power:従来の「TDP(熱設計電力)」「PL1(Power Limit 1)」に相当する消費電力
第12世代Coreプロセッサは、処理性能を重視する「パフォーマンスコア(Pコア)」と処理効率(省電力性)を重視する「効率コア(Eコア)」を混載していることが特徴だ。モバイル向け製品はCPUやGPUに加えてチップセット(サウスブリッジ)も統合した「SoC(System-On-a-Chip)」として提供される。
パッケージ(チップの実装サイズ)は、PプロセッサとPBP 15WのUプロセッサが「BGA Type3(50×25×1.3mm)」、PBP 9WのUプロセッサが「BGA Type4 HDI(28.5×19×1.1mm)」となる。プロセッサの機能には、パッケージごとに差異がある。
BGA Type3パッケージを採用するPプロセッサとUプロセッサの15Wモデルの主要な仕様は、先行して登場したハイエンド向けの「Hプロセッサ」(PBPは45W)と近い。ただし、外部(独立)GPU用のPCI Express 4.0バスが削減されている。
(※2)Wi-Fi 6Eは一部の国/地域でのみ利用可能。利用できない国/地域では6GHz帯を使わずに「Wi-Fi 6」として利用可能
Uプロセッサの9Wモデルは、実装面積と消費電力を削減するためにPプロセッサやUプロセッサの15Wモデルから一部の機能が削減されている。メインメモリもローパワー規格のみのサポートとされた。
Uプロセッサの構造図。15WモデルはPプロセッサと同様の構造となっているが、9Wモデルは一部のバス/ポートの数が削減されており、特にSerial ATA 3.0ポートは一切備えていない。加えて、メインメモリのサポートもLPDDRのみとされている
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