ここからは、各種ベンチマークテストを実施した結果について見ていこう。今回は比較用に第11世代Core i7-11390H(4コア8スレッド/2.9〜3.4GHz)、メモリ32GBのノートPCを用意して比べてみた。
まずはPCの総合的な実力を測るPCMark 10のスコアは、世代も新しくコア/スレッド数も多いVivobook 15Xの方が順当にリードした。
次に、CPUの性能を測るCinebench R23だ。Multi Coreで1万3535pts、Single Coreでは1637ptsと十分なパフォーマンスを発揮した。
続いて、バッテリーの駆動時間を調べてみた。Battery reportによると評価機は6万5732mWhの容量を持つことが分かる。そこでPCMark 10 Battery Profileにある、仕事で利用するアプリを動かして持続時間を計る「Modern Office」と、Officeアプリを動かして計測する「Applications」を画面輝度50%で測定した。するとModern Officeでは7時間38分、Applicationsでは8時間30分という結果になった。
いずれのテストでも、外出先でPCを利用するには十分な動作時間を確保できそうだ。15.6型という大きなノートPCを持ち運んで利用するケースは少ないかもしれないが、これなら電源が利用できないシーンであっても対応できる。
最後にグラフィックス回りのテストを実施した。Vivobook 15XはゲーミングPCではないが、CPU内蔵グラフィックスがIntel Iris Xe Graphicsということもあり、従来のIntel UHD Graphicsよりも性能が向上している。
テストスコア自体は振るわないものの、負荷が低めのゲームであれば動作することが分かるテスト結果だ。
実際のゲームでのパフォーマンスを測る「ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレ ベンチマーク」では、1920×1080ピクセルでは最高品質と高品質(ノートPC)で「設定変更を推奨」となってしまった。標準品質(ノートPC)では「普通」という結果なので、画質にこだわらなければ遊ぶことはできる。きれいな画像でプレイしたいなら、1280×720ピクセル程度に変更すれば良いだろう。
ここまでVivobook 15Xについて見てきたが、第12世代Coreシリーズの中でも上位クラスに位置するCore i7-12700Hを搭載し、グラフィックス機能がIntel Iris Xe Graphics、メモリも16GB、ストレージが512GBと、ビジネスや学習用途で使うには申し分のないスペックで、セール価格ではあるが15万9800円(税込み)という価格はとてもコストパフォーマンスが良いと思う。
ただしThunderbolt 4はサポートせず、キーボードバックライトも省かれている。細かいところでは、Windows Helloの利用には外部デバイスが必要になるなど気になる箇所はあるが、この辺りが納得できるならお勧めできる1台だ。また、購入後にユーザー登録を行うことで保証内容が手厚くなる「ASUSのあんしん保証」対象モデルでもあるので活用したい。
シリーズのラインアップには、CPUに8コア16スレッドのRyzen 7 5800Hを採用した「ASUS Vivobook 15X OLED M1503」も用意されているので、併せて検討するといいだろう。
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