ここからは、GeForce RTX 4060 Ti(8GB)の実力をベンチマークテストを通してチェックしていこう。
今回のテストでは、機材調達の都合で「Core i7-12700F」(Pコア8基16スレッド+Eコア4基4スレッド)を搭載する自作PCでテストを行った。グラフィックスドライバーはテスト版の「バージョン531.93」を利用している。
比較用として、今回は筆者が過去に実施した「GeForce RTX 4070」「GeForce RTX 4070 Ti」のテスト結果も掲載する。ただし、機材の都合で、GeForce RTX 4070 TiのみCPUが異なる。あくまでも参考値として捉えてもらえればと思う。
まず、3Dグラフィックスのパフォーマンスをチェックする「3DMark」で幾つかのテストを実行してみる。今回はDirectX 11ベースの「Fire Strikeシリーズ」と、DirectX 12ベースの「Time Spyシリーズ」と、リアルタイムレイトレーシング(RT)の性能をチェックする「Port Royal」を実行した。総合スコアは以下の通りである。
GeForce RTX 4060 Ti(8GB)のスコアは、上位モデルと比べると低い。GeForce RTX 4070/4070 Tiが「1440p(WQHD/2560×1440ピクセル)のゲーミング体験の向上」を目指したのに対して、GeForce RTX 4060シリーズは「1080pのゲーミング体験の向上」を目標としたのだから当然といえば当然である。
「じゃあ先代と比べてどうなんだ?」という観点で見ると、GeForce RTX 3060 Ti Founders Editionのテストのスコアと比べると、間違いなく改善はしている。
「ライトゲーマーがゲームを楽しむ」という観点では、間違いなく良い選択肢となるだろう。
続いて、実際のゲームタイトルをベースとするベンチマークテストアプリを使ってパフォーマンスをチェックしてみよう。
まず、少し軽めの「ファイナルファンタジーXIV : 暁月のフィナーレ ベンチマーク(FF14ベンチマーク)」を最高画質のプリセットでフルHD、WQHD、4Kの3つの解像度でスコアを測ってみた。結果は以下の通りだ。
フルHDとWQHDでは、上位GPUと同じ「非常に快適」評価となった。今となっては「軽量」ともいえなくもないFF14だが、昔から遊ばれているタイトルであれば、WQHD解像度でも満足の行くゲーム体験を得られそうだ。
一方で、4Kともなるとスコアの差は大きくなる。非常に快適からは2段階下の「快適」まで評価は下がる。少し動きがカクつくシーンもあった。GPU自体のスペック差はもちろんだが、接続バスがPCI Express 4.0 x8と“半分”であることも影響している可能性がある。
見方を変えると「フルHD程度であれば、PCI Express 4.0 x8でも帯域幅は十分」ということなのだろうか……。
続けて、システムへの負荷がやや大きい「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK(FF15ベンチマーク)」の高画質設定も合わせて実行してみよう。解像度はFF14ベンチマークと同じくフルHD、WQHD、4Kの3つで行っている。結果は以下の通りである。
やり取りするデータ量の差もあってか、FF14ベンチマークと比べるとスコア差はやや大きい。それでも、フルHDであれば「非常に快適」評価を得られている。一方で、WQHDや4KではGeForce RTX 4070と比べて1段低い評価となってしまっている。
こうして見てみると、GeForce RTX 4060 Ti(8GB)は、本当の意味で「1080pでのゲーム体験」に最適化されているのだなと感じる所である。
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