脳腫瘍から始まったデジタル終活ツール「まもーれe」古田雄介のデステック探訪(3/3 ページ)

» 2023年06月29日 06時00分 公開
[古田雄介ITmedia]
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ローカル性を強化する宝の地図サービスも投入

 約2年近く経った2021年3月、前野さんは「まもーれe CoCo-Dayo」(マモーレ ココダヨ)という追加サービスもリリースした。PCやエンディングノート、遺言書などの置き場所を家族などに知らせるための“宝の地図”を作成する無料サービスだ。

 「公開から1年経った頃に『じゃあ、家族用に作ったパスワードはどうやって渡すの?』『どのPCに入れているかどう伝えるの?』という質問をたくさん受けるようになりまして。せっかくだからエンディングノートや遺言書など、他の書類でも使えるようなサービスを作ろうと考えたんです」(前野さん)

 公式ページでCoCo-Dayoを申し込むと、地図に書き込む情報を入力するフォーム画面が表示される。こちらに保管しているPCや書類、連絡してほしい相手などの情報を書き込んで、1枚の用紙にまとめる流れだ。

まもーれe デステック MONET 「まもーれe CoCo-Dayo」の入力フォーム
まもーれe デステック MONET 宝の地図が完成。後は印刷して備えるだけだ

 こちらは逆に作成までWebで作成が完結するため、OSを選ばずに利用できる。

 作成したPDFを印刷、つまりはローカル化して家族に渡したり、預金通帳などの重要書類と一緒に保管したりすることで、緊急時に対応してほしい人を対応してほしいモノに誘導する動線ができあがる。

 提供から4年経ち、Lite版の利用者は50代男性を中心にじわじわと伸び続けているという。Pro版の収益化も含めて長い目で見据えて提供していく構えだ。自宅や自部屋の中で終活を完結させるなら、試してみる価値はあるだろう。

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