続いて、ソフトウェア面も見ていこう。
前述の荷物に関連したところで新たに追加されたのが、荷物の検知機能だ。これにより「玄関の荷物検知ゾーンで荷物が検知されました」という、置き配メインのアラートが出せるようになった。従来は「人」「その他」の検知機能しかなかったので、配達をより正確に確認できるようになったことになる。
これらの機能は、本製品の競合にあたるGoogleの「Google Nest Doorbell」では既に搭載されていたが、本製品の登場によって追いついたことになる。これもカメラの垂直方向の画角が広がったゆえだ。
ただし個人的に使っていて多少気になるのが、全体的に敏感すぎて、荷物の検知ゾーンを何かが一瞬通過しただけで、「荷物」と判定されてしまうケースがあることだ。
人や動物ならまだしも、荷物の場合、同じ位置に決まった時間、例えば10秒や1分ずっとそのままになっていれば、その時点で初めて通知が飛ぶ仕様でも構わないと思うのだが、現状では人がそのゾーンを通過しただけで、荷物が置かれたとみなしてしまう。
設定画面を見た限り、調整するための項目もないようなので、現状では感度を下げる一方で、ゾーン設定時に荷物の検知ゾーンを最小限にし、通常の検知ゾーンと重ならないようにしておくのが、せめてもの対策といえるかもしれない。
通常のモーション検知のゾーン(青色)とは別に、荷物の検知ゾーン(オレンジ)を設定できるようになった(左)。検知の感度も通常のモーション検知とは別に設定可能だ(中央)。スマートアラートについても別に設定できる(右)これ以外の機能は、アプリ内での階層はかなり様変わりしている場合もあるが、項目としては大きな違いはない。4秒前から録画するプリロール機能の項目がなくなっており、Webページの比較表でも省かれているが、試した限り、デフォルトでドアベルを押す前から録画されるようになったため、ユーザーが選択できる項目が消滅しただけのように見える。
この他、前回紹介したRing Indoor Cam(第2世代)と同じく、カラーナイトビジョンに新たに対応している。ただしデフォルトではオフのままなので、必要ならばユーザー側でオンにする必要がある。
Ringのダッシュボード。本製品の映像が下段に表示されている(左)。デバイスのホーム画面。呼び出しアラートなどドアベルならではの項目がある(中央)。ドアベルが鳴らされると、別のカメラが録画を開始するなどの連携設定が行える(右)
カラーナイトビジョンに対応しているが、デフォルトではオフになっているので必要に応じて有効化しておきたい(左)。ドアベルが押されなくともモーションの段階でスマホに通知されるのは、市販のドアベルにはない利点だ(中央)。ドアベルの押下とは別に、定期的なスナップショットを撮る機能もある(右)残念なのが、ユーザーに代わって応答してくれる「スマート応答」機能が、いまなお日本語非対応であることだ。存在しないものとして扱えば問題はないのだが、日本向けにチューニングされていないのか、しきりにポップアップで存在を主張してくるのが非常に目障りだ。
名称が非常にややこしいのだが、「クイック応答」は「スマート応答」に含まれる一機能という位置づけのようだ(左)。クイック応答は英語でのみ利用可能だ(中央)。にもかかわらず、さかんに有効化を勧めてくるのが困りものだ(右)以上ざっと見てきたが、新製品でありながら従来モデルと同じ外観を採用したのは、従来モデルの置換を狙っていることに他ならないだろう。事実、サイズはもちろんバッテリーも共通の本製品であれば、本体だけを入れ替えれば、すぐに恩恵を享受できる。
横方向の画角がわずかに狭くなったことを除けば、失われた機能も見当たらず、完全上位互換と言えるのも強みだ。実売価格も従来の2万3980円に対して、本製品は2万4980円と1000円しか変わらないので(いずれも税込み)、新規に購入する場合は、現時点で併売されている従来モデルではなく、迷わず本製品をチョイスすべきだろう。
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