さて外観以外の進化として、スピーカーの大口径化による高音質化、マイクの追加による聞き取り性能の向上、プロセッサの刷新による処理速度の高速化が挙げられている。スマートスピーカーとしてのハードウェアの性能が、少しずつ底上げされた格好だ。数日間という短い期間ではあるが、第1世代モデルと使い比べてみた。
まずスピーカーの音質については、進化がはっきりと分かる。1.65型(42mm)から1.75型(44mm)への変更ということで、そこまで大きな違いはないように感じるが、実際に聞いてみると素人でも十分に分かるレベルで違いがある。これまで音が割れるのを覚悟で無理に音を出していたのが、余裕を持って聞けるようになった、という表現が妥当だろうか。音楽を再生する機会が多い人にとっては要注目だろう。
一方の聞き取り性能については、試した限りそれほど差は感じられない。具体的には、小声での応答性能チェック、離れた場所からの応答性能チェック、また雑音が大きい場所での応答性能チェックを試したのだが、本製品だけ反応する場合もあれば、第1世代モデルだけが反応する場合もあり、あまり有意な差はないように感じる。
Webサイトの説明によるとマイク自体が2基から3基へと増えたとのことだが、左右にバランスよく配置されるのではなく、背面右に集中する格好になっており、呼びかける向きによっては何らかの違いが出やすいのかもしれない。もっとも、筆者環境では違いが分からなかったので、評価は保留としたい。
処理速度の高速化についても微妙だ。画面のタップに対するレスポンスは確かに速くなっているのだが、もともと本製品のようなスマートディスプレイは、タッチ操作のレスポンスと、何らかの設定変更がクラウドに送信され反映される速度、この2つが合わさって体感的な速度が決まってくる。
本製品は後者についてはあまり変化は感じられず、前者も第1世代と比べると高速ではあるものの、第1世代は歴代のスマートディスプレイ製品の中でもかなりレスポンスが遅い製品だったので、これまでマイナスだったのがようやくプラマイゼロになったという印象だ。進化自体は喜ばしいのだが、期待しすぎるのは禁物だろう。
この他、本製品はスマートホームの共通規格である「Matter」に対応したのも強みだ。今回はエラーが出て設定を完了させられなかったのだが、本製品を接続している場合のみ、独自のセットアップ画面が表示されることは確認できた。これについてはまた別の機会に紹介したい。
Matter対応デバイスを検出すると、Alexaアプリの「セットアップ」で該当デバイスが表示される。ここでは「Nature Remo nano」を検出している(左)。タップするとセットアップが開始される。「次へ」をタップ(中央)。Matterのバーコードを使って設定するか否かを尋ねられる(右)
今回はバーコードがないので11桁コードを使ってのセットアップを選択(左)。デバイスへの接続が行われる(中央)。今回はエラーが出て完了できなかったが、正しい手順であればここでセットアップが完了するとみられる(右)
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