実機に触れて分かった「iPhone 15 Pro」の美しさ 新しいApple Watchはカーボンニュートラルで製造業の歴史に名を刻む(3/4 ページ)

» 2023年09月14日 06時00分 公開
[林信行ITmedia]

順当に進化したiPhone 15シリーズとApple Watchの各シリーズ

 iPhone 15 Pro/Pro Maxが魅力的なのは分かったが、スタンダードなiPhone 15と画面の大きなiPhone 15 Plusはどうだろう。実はこちらも大きな進化を果たしている。

 2023年のProモデルで誕生した画面上部の付加情報表示機能「Dynamic Island」が、一般向けのiPhone 15/15 Plusでもついに採用された。他のアプリの使用中でも、アプリを切り替えることなく経路の案内や再生中の音楽の操作ができる優れ物の機能だ。

 ブラックと4色の淡い色彩によるカラーバリエーションは、素材に色を浸透させるカラーインフューズドグラスという技術で生み出されている。

Apple Event 2023 スタンダードな6.1型のiPhone 15(左)と、6.7型のiPhone 15 Plus(右)
Apple Event 2023 iPhone 15シリーズは5色のカラーで展開される

 プロセッサも2022年のProモデルが搭載していた、A16 Bionicプロセッサになった。

 高速転送のUSB 3.0にこそ対応していないが、こちらも接続端子はUSB Type-Cに切り替わり、優れた充電体験を提供するMagSafeも装備している。

 カメラは4800万画素で26mm相当と超広角レンズを2つ備え、デジタルズームやコンピュテーショナルフォトグラフィー(コンピューター処理)で他の倍率での撮影にも対応する。

 カメラ関係で、もう1つ面白いのが次世代ポートレートと呼ばれる撮影機能だ。ポートレート撮影は被写体を認識して背景だけぼかして雰囲気の良い写真にする人気の撮影機能だが、iPhone 15ではポートレートモードを選ばず、通常のモードで撮影した写真でも、奥行き情報を記録して、後からぼかしをきかすことができる。

 複数の人が写っている写真では、どちらの人に焦点を合わせるかも後から選べる。日常写真に、ちょっとしたドラマ性を加えたい人にはうれしい機能だ。なお、この機能は当然、iPhone 15 Pro/Pro Maxでも利用できる。

Apple Event 2023 新型iPhoneでは、ポートレートモードでなくても撮影後にフォーカスポイントを変更可能になった

 今回の発表会では、このiPhone 15/15 Plus/15 Pro/15 Pro Maxの4種類のiPhoneに加え、Apple Watch Series 9とApple Watch Ultra 2が発表され、さらにはUSB Type-C端子を搭載したAirPods Pro(第2世代)も発表された。

Apple Event 2023 新チップ「S9 SiP」を搭載した「Apple Watch Ultra 2」
Apple Event 2023 新色ピンクも加わった「Apple Watch Series 9」

 詳細は後日レビューで触れるとして駆け足で紹介をすると、Apple Watch Series 9は、新しいS9 SiPプロセッサを搭載し、英語と中国に関しては通信不要でApple Watch上でSiriによる音声操作を行える。

 よりレスポンスよくプライバシーにも配慮した利用を可能にしている。だが、それ以上に利便性が高くApple Watchの利用の仕方を変えてしまいそうなのが「タブルタップ」と呼ばれる操作だ。

Apple Event 2023 新たに追加されたダブルタップを使えば、Apple Watchに触ることなく操作が可能になる

 親指と人差し指をテンポ良く2回くっつける操作で、音楽の再生と一時停止/電話の着信応答と切断/タイマーのスタートとストップ/メッセージの返信/スマートスタックと呼ばれる重要情報の表示切り替えなどの操作を、洗い物をしていたり、犬の散歩をしていたり、荷物を持っていたりでもう片方の手がふさがっている場合でも実現する機能だ。

 もう1つ面白い特徴がUWB(ウルトラワイドバンド)に対応し、iPhoneや位置情報を共有した知り合いが、どこにいるかをApple Watch上に矢印や距離を表示させて探す機能なども備えた。ただ、この機能は国や地域によって利用できない場合があり、日本では使えないという。

 ディスプレイも新しくなり、直射日光下など明るさが必要な場面ではより明るく2000ニトで、逆に暗さが求められる場面では1ニトにまで明るさを落とせる仕様に進化している。

 一方、Apple Watch Ultra 2はさらに明るい3000ニトの表示に対応し、屋外アクティビティーに必要な情報を凝縮したModular Ultraという文字盤も新たに用意された。

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