PCゲームに注目集まるTGS でもインテルブースの製品展示は控えめ そのワケは?東京ゲームショウ2023

» 2023年09月22日 20時30分 公開
[井上翔ITmedia]

 9月24日まで幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催されている「東京ゲームショウ2023」では、2022年以上にPCゲーミング関連のブースが増えている。

 PC向けのCPUはもちろん、最近はGPUの供給にも取り組んでいるインテルも、2022年に引き続きブースを構えている……のだが、今年(2023年)は少し展示が“控え目”なような気もする。その狙いはどこにあるのだろうか。

2023年のブース 東京ゲームショウ2023のインテルブースは幕張メッセの「ホール8」にある。Alienware(デル・テクノロジーズ)、Dynabook、TSUKUMO(ヤマダデンキ)、日本HP、FRONTIER(インバースネット)との共同ブースという形態だが、他メーカーのゲーミングPCも展示されている
去年 こちらは2022年のインテルブース。見比べると、2023年のブースはだいぶ“明るく”なったことが分かると思う(ついでにいうと、カメラで撮影しやすくもなっている)
案内役 報道関係者向け説明会に先駆けて、インテルの上野晶子営業本部長(左)、鈴木国正社長(中央)と安生健一朗第二技術本部長(右)の3人があいさつに立った

ブースのテーマは「遊ぶ」「楽しむ」「作る」

 2023年のインテルブースは、PCを使ってゲームを「遊ぶ」「楽しむ」「創る」をテーマに作られているという。

 ブース自体の面積は2022年とほぼ同じだが、製品の展示は控え目となった。その代わりに、ゲームコミュニティの醸成を目的とする「動画配信スペース」と「コミュニティー対戦エリア」や、パーツメーカーが交代で自作PCに関する相談を受け付ける「カスタムPCコーナー」が新設された。テーマに沿った取り組みだという。

ブース間取り 2023年のインテルブースの間取り図。製品の展示(≒ゲーム体験)コーナーの面積が削減された代わりに、「動画配信スペース」「コミュニティー対戦エリア」「カスタムPCコーナー」が新設された
動画配信スペースとコミュニティー対戦エリア 今回新設された動画配信スペース(奥)とコミュニティー対戦エリア(手前)。動画配信スペースではトークセッションをライブ配信する他、コミュニティー対戦エリアと一体運用してゲーム体験イベントも行われる。さまざまなメーカーのゲーミングPCが並んでいるのは圧巻だ
G-Tune 動画配信スペースにパネリスト用PCとして配置されていた、マウスコンピューターの「G-Tune H6-I9G80BK-A」。別売のユニットを購入することで水冷にも対応する面白いゲーミングノートPCだ

 インテルは、PCの中核をなすCPUやGPUを手掛けるメーカーである。そのことから、PCの本体/パーツメーカーだけでなく、周辺機器メーカーやソフトウェアメーカー、その延長線上にある各種機材メーカーとのつながりもある。

 さまざまな分野の企業との“ハブ”となっている同社の特性を生かした展示は今回も健在で、いろいろな企業の協力を得て、PCやパーツ、ゲームタイトルだけでなく、各種周辺機器も展示している。

協賛企業 インテルブースの協賛企業。PC本体/パーツメーカーだけでなく、周辺機器メーカーやゲームメーカーも名を連ねている

注目すべき展示は?

 前回とは少し趣の異なるインテルブースだが、注目すべき展示やコーナーをピックアップして紹介しよう。

dynabookウォール

 インテルブースの正面には「dynabookウォール」がそびえ立つ。これはDynabookが本ブースのプラチナパートナーを務めていることから実現したそうだ。

 ウォールの下では、14型モバイルノートPC「dynabook R」を使って3種類のゲーム(ロックマンX DiVE オフライン、NINJA GAIDEN 3:Razor's Edge、龍が如く 維新 極!)を体験できる……のだが、うち2台が他1台とは何か違う雰囲気を醸し出している。

 その2台は、Dynabookが11月中旬に50台限定で販売する予定の「dynabook RZ Limited Edition」である。dynabook RZ Limited Editionは、dynabook Rの直販モデル「dynabook RZ」をベースに開発されたスペシャルモデルで、以下の特徴を備えている。

  • 5色に光るバックライトキーボードを搭載
  • 「Adobe Creative Cloud」コンプリートプランと「Xbox Game Pass Ultimate」の1カ月体験ライセンスを付帯

 本モデルはゲーマーの反応を“様子見”する観点で展示する側面もあるという。担当者は「アンケートフォームから感想を聞かせてほしい」と語っていたので、訪れる予定のある人は、ぜひ協力してほしい。

Dynabookウォール インテルブースで一番目立つ場所にある「dynabookウォール」には、13.3型/14型のモバイルモデルを中心にdynabookがたくさん並んでいる
dynabook RZ Limited Edition ウォールの下には3台のdynabook Rシリーズが並んでいる。そのうちの2台は、11月中旬に直販サイトで販売される予定の「dynabook RZ Limited Edition」だ。パッと見では普通のdynabook RZと変わらないが……
RGBライト キーボードにRGBバックライトを搭載している
パラちゃんもRGB Dynabookのオリジナルキャラクターである「パラちゃん」も、RGBカラーとなった

カスタムPCコーナー

 インテルによると、PCゲーミングをきっかけに自作PCに興味を持つ人が増えているという。そこで「PCを作るにはどうしたらいい?」「パーツはどこで買えばいい?」といった疑問を解消すべく、同社は「PCマイスター制度」を創設し、店員やユーザーへの知識提供を進めようとしている(参考記事)。10月14日と15日には、初めてのオンライン講座が開かれることになった。

 先述のカスタムPCコーナーも、自作PCに興味を持ったゲーマーに知識を提供する目的で新設したそうだ。相談に乗ってくれるのはASUS JAPAN、ASRock、MSI、GIGABYTEの担当者で、時間帯によって交代で対応することになるという。

自作相談 ASUS JAPAN、ASRock、MSI、GIGABYTEの担当者が交代で自作PCに関する質問や相談に乗ってくれるカスタムPCコーナーも新設され、取材した時間帯はGIGABYTEの担当者が応対していた
パーツ展示 余談だが、カスタムPCコーナーの裏手には、相談に乗ってくれる4社(+α)のメーカーのマザーボードやメモリモジュールなど、PCパーツが複数展示されている。場合によっては展示物を使って説明できるので便利そうだ
マイスター 自作PCに関する知識を身につけてもらうためのPCマイスター制度も本格的にスタートする。初級は「小学生程度でも分かる知識」である一方、上級は「事前講習が必要な内容」になるそうだ

製品展示コーナー

 製品展示コーナーでは、共同出展者である5社のうち、4ブランド(Alienware、TSUKUMO、日本HP、FRONTIER)のゲーミングPCが展示されており、未発売のものを含む最新ゲームをプレイできる。動画配信スペースやコミュニティー対戦エリアで展示されているものとは異なり、ブース内イベントが開催されていても“自由に”試せることは大きなメリットだ。

 先述のdynabookウォールの背面側には、今回のブース全体のテーマである「遊ぶ」「楽しむ」「創る」を体現したイメージ展示も行われている。こちらの展示も実際に試せるようになっているので、ぜひ足を運びたい。

展示コーナー 製品展示コーナーでは、Dynabook以外の共同出展者のゲーミングPCを体験できる
遊ぶ 「遊ぶ」を体現する展示には、デル・テクノロジーズの「XPS 13 Plus」が起用された。Intel Evoプラットフォームに準拠していれば、モバイルノートPCでもある程度ゲームを楽しめるという趣旨だ
楽しむ 「楽しむ」を体現する展示には、GIGABYTEの「AORUS 15 BSF-73US754SH」が使われていた。第13世代Core Hプロセッサと外部GPUを搭載するノートPCなら、機材を整えれば高品質なゲーム配信環境を作ることができます、ということを示したいようだ
創る 「創る」を体現する展示には、MSIのパーツで構成された自作PCが使われていた。取材時は「Blender」を用いた3Dオブジェクトの制作シーンが再現されていた

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