ベンチマークテストのトップバッターは、やはりUSB 3.2 Gen 2x2の環境だ。現状ではノートPCでその環境を備えているケースは少なく、デスクトップPCにGIGABYTEのUSB 3.2 Gen 2x2増設カード「GC-USB 3.2 GEN2X2」を追加した。
用意したデスクトップPCのスペックは、CPUが第13世代Core i5-13600K(14コア20スレッド、最大5.3GHz)、メモリは32GB(DDR5-5600)、SSDは1TB(PCI Express 4.0 x4接続)、OSはWindows 11 Proだ。
CrystalDiskMarkの結果を見ると、公称値通りのスコアを確認できた。PCI Express 3.0 x4相当の内蔵SSDといっても過言ではないスピードだ。
続いては、ポータブルゲーミングPC「ONEXPLAYER 2」(CPU:Ryzen7 6800U/メモリ:16GB)のUSB Type-C端子(USB4対応)と、USB 3.0対応USB Type-A端子を使用した(いずれもUSB 3.2 Gen 2x2には非対応)。ケーブルはそれぞれ付属のもので、計測ツールはおなじみの「CrystalDiskMark 8.0.4」(ひよひよ氏作)だ。テストは5回行い、その平均値を取った。
USB4端子を利用した計測では、いずれも毎秒1016.06MBで、書き込みが毎秒960.27MB(いずれも小数点以下3位は四捨五入。以下同)だった。USB Type-A端子では、読み出しが945.75MB、書き込みが毎秒898.61MBであった。
次に、Mac環境でも計測してみよう。使用したのは13インチMacBook Pro(2020)だ(CPU:2.3GHz Core i7/メモリ:16GB)。こちらのThunderbolt 3端子にSSDを接続し、計測ツールに「Blackmagic Disk Speed Test」を利用した。
5回計測した平均値は、読み出し速度が毎秒899.06MB、書き込み速度が毎秒827.26MBとなった。Windows PCにしてもMacBookにしてもSamsungがうたう最大転送速度毎秒2GBの半分程度しか出なかったことになる。
Thunderboltについては、次世代のThunderbolt 5でもUSB 3.2 Gen 2x2はオプション対応となっており、本製品のポテンシャルをフルに引き出す環境は限られているのが現状だろう。
ベンチマークテストのスコア以上に、体感速度も気になるところだ。そこで、撮りためてあった猫動画(スマホで撮影した約1時間分の合計5.01GB分)を1つのフォルダーにまとめ、転送してみた。ここでは、前出のONEXPLAYER 2のUSB4端子に接続した。
すると、5回とも10秒未満でコピーが完了しており、本当にあっという間に終わる。5.01GBのデータをコピーするのにかかった時間は9秒39で、5回測定した平均値は9.81秒だった。
次に、Windows 11に標準搭載されるようになった動画編集アプリ「Microsoft Clipchamp」でこれらの動画素材を使った短いムービーを作ってみた。
ちなみに、ONEXPLAYER 2のSSDは最大読み出し速度が毎秒2150MB、最大書き込み速度が毎秒1890MBと、ゲーミングPCらしく高速なPCI Express 3.0 x4接続のSSDなのだが、それと比較しても、素材の読み出し中も編集中に、カクつきや遅延など違和感なく操作できた。
これなら、高画質の写真データや、長尺の動画素材、あるいはゲームのデータをT9に入れたまま扱っても、ストレスを感じないのではないだろうか。
ハード的にもソフト的にも安心して持ち歩け、しかも使用中もストレスフリーなT9。今や、ほとんどのデータをクラウド保存する時代ではあるが、通信環境を気にせず手元に置いておける安心感も持ち運びたいという人にはもってこいのストレージだといえよう。
※記事初出時、転送速度などに誤りがありました。おわびして訂正します(2023年10月4日午後3時50分)。
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