「Electrical Validation」は、CPUが入出力する電気信号が、想定仕様の範囲内に収まっているかを確かめるセクションだ。今回の見学時は、テスト対象のCPUにおける「PCI Express 5.0」の信号が想定通りになっているかどうかを検証する様子が公開された。
検証に使っていたのは、Keysight Technologies(キーサイトテクノロジーズ)製の59GHz/4チャンネルオシロスコープ「UXR0594A」。これは大変に高性能なもので、実売価格は2000万円ほどする。さすがは“最先端”の研究開発現場である(笑)。
「Power and Performance Validation」は、開発中や量産前の試作段階にあるCPUの動作面での安定性と性能試験を行うセクションだ。略称は前編で紹介した「Platform Performance Validation」と同じく「PPV」だが、行うテストの意味合いや目的は大きく異なる。
このテストでは、対象のCPUに対する供給電力(電流×電圧)/動作クロック/冷却状態を調整して、さまざまな条件で“仕様通り”に動くかどうかを確かめる。
一般的なPCユーザーの場合、CPUの“最高性能”にしか大きな関心を示さない傾向にある。しかし、実際のCPUには、製品ごとに「供給電力」「動作クロック」「温度」のパラメーターの組み合わせから「想定性能」が定義されている。その通りに動作できるかどうかを確かめよう、ということだ。
試験の内容は複数ある。例えば「供給電力と温度を固定した上で、動作クロックを低い所から想定値まで順次引き上げていき、継続して稼働できるできるかどうか」なんてことをやっている。
「Early Customer Engagement」は、意訳すると「早期顧客サポート」のような意味合いのセクションとなる。
ただし、ここでいう「Customer(顧客)」とは、我々一般ユーザーのことではなく、Intel製CPUを採用する、大小さまざまなPCメーカーのことを指す。新CPUを搭載する新製品を遅滞なく早期にリリースすべく、大手を中心とするPCメーカーから要望のあった試験を行うセクションが、ここというわけだ。
具体的には、新CPUの試作品が、PCメーカー側が設計したシステム(マザーボードなど)上で正常に動作するか、といった試験を行う。
せっかくなので、MDC MEGA LABでの作業を動画にまとめたものを以下に掲載する。
こうして、CPUの試作品や量産前のテスト生産品の試験を行っているMDC MEGA LABだが、テスト段階で問題が見つかった場合、どのように対処しているのだろうか。
実は同じペナンキャンパス内に、その対応を行っている部署がある。
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