GPUのパフォーマンスをもう少し掘り下げてチェックすべく、Maxonのベンチマークテストアプリ「Cinebench 2024」を試してみよう。
Cinebench(CINEBENCH)シリーズというと、最近はCPUのテストアプリとして使われることが多かったが、かつては「OpenGL」を使ったGPUのパフォーマンスのテスト機能も備えていた。新しいCinebench 2024では、同社の3Dグラフィックス制作アプリ「Cinema 4D」の最新バージョンと同じレンダリングエンジンを使ったGPUテスト機能が“復活”している。macOSの場合、Metal APIを使ったGPUテストに対応しており、Apple SiliconのMacなら16GB以上のメモリを搭載していれば実行可能だ。
もちろん、従来と同様にCPUを使ったテスト(シングルコア/マルチコア)も備えているが、ライティングやテクスチャの設定が従来バージョンよりも複雑になっており、より高性能なCPUの実力をチェックしやすくなっている。
今回、評価機でCinebench 2024のGPUテストを実行した所、M1 Ultraチップ(65コアGPU)の2倍以上のスコアを記録した。そればかりか、M2 Ultraチップ(76コアGPU)のスコアと比べても約30%上回っている。
異なるGPUであり、恐らく動作クロックも異なるため単純比較はできないが、Cinebench 2024のレンラリングエンジンが、M3 Maxチップのメッシュシェーダーやレイトレーシングのアクセラレータをうまく活用して処理のスループット(実効速度)を大きく引き上げているようだ。
ちなみに「Geekbench 6」を使ってGPUのCompute(演算性能)テストを実行した結果をM2 Maxチップ(38コアGPU)と比べると、「2コア増えた分プラスα」ほどの違いしかない。つまりGPUコアの“演算能力”はそれほど大きく伸びていない。
M3チップファミリーの新型GPUは、どちらかというと3Dグラフィックスにおけるボトルネック要素をハードウェアで支援することでパフォーマンスを引き上げる方針を取っている。アプリのグラフィックスパフォーマンスは、GPUコアに新しく搭載された機能をいかに使うのかカギを握りそうだ。
この“有り余る性能”は、どのような用途に使うと良いのだろうか。
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