AMDは11月13日(米国太平洋時間)、デスクトップワークステーション向けGPU「Radeon PRO W7700」を発表した。本GPUを搭載するグラフィックスカードは同日から発売される他、カードをあらかじめ組み込んだワークステーションも11月中から順次登場する予定だ。グラフィックスカードの想定販売価格は999ドル(約15万1400円)となる。
AMDのデスクトップワークステーション向けGPU「Radeon W7000シリーズ」では、1500ドル(約22万7400円)超のウルトラハイエンド製品(Radeon PRO W7800/7900シリーズ)と、350ドル〜950ドル(約5万3000円〜14万4000円)のミドルレンジ製品(Radeon PRO W7500/7600)の“間”の製品が抜けていた。
今回登場したRadeon PRO W7700は、その隙間を埋めるべく登場したGPUだ。1000ドルを切る価格で、あらゆるプロフェッショナルワークを高いパフォーマンスでカバーできることが特徴だという。
GPUコアはRDNA 3アーキテクチャで、主なスペックは以下の通りだ。
先代の上位製品である「Radeon PRO W6800」と比べると、グラフィックスメモリやInfinity Cacheの容量は半減しているものの、演算性能はより高い。一方で、最大消費電力は190Wと50W削減できている。
AMD提供の資料を見る限り、想定する競合製品は「NVIDIA RTX 4000 SFF Ada」「NVIDIA RTX A4000」「NVIDIA RTX A4500」となっている。
想定販売価格ベースでは、いずれもRadeon PRO W7700よりも高価だ。しかし、多くのワークロード(作業処理)において実行パフォーマンスで勝るという。
競合であるNVIDIAのミドルレンジ〜ハイエンドクラスのワークステーション向けGPUと比べると、安価でありながらも演算パフォーマンスは高い上、よりバージョンの高いDisplayPort出力に対応していることが強みだ
NVIDIA RTX 4000 SFF Adaと比べてコストを最大25%削減可能だが、ディスプレイ出力の帯域幅は最大2倍、価格当たりのパフォーマンスは最大1.7倍であることをアピールしている。ただし、NVIDIA RTX 4000 SFF Adaは、その名の通り「SFF(Small Form Factor)」設計で、ロープロファイルタイプのPCI Expressスロットに装着できることが“強み”なので、カードの収納性まで考慮に入れると、比較は難しくなる時間は限られたものの、発売前のRadeon PRO W7700を試す機会を得たので、次ページからベンチマークテストの結果を紹介する。
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