ハンドルと自動展開スタンドで楽々移動! 新感覚の大画面液晶一体型PC「HP ENVY Move All-in-One 24」を試す実はファンレス(2/3 ページ)

» 2023年12月18日 12時00分 公開
[マルオマサトITmedia]

23.8型の大画面 HDMI入力で外付けディスプレイとしても運用可能

 ディスプレイは、2560×1440ピクセル(アスペクト比16:9)の23.8型IPS液晶を搭載している。IPS方式の液晶パネルなので、視野角が広く、発色の印象も良い。輝度は公称で最大300ニト、実測でも310ニトと、室内で使うには十分な明るさを備える。

 画面は最大10点のマルチタッチ対応にも対応している。画面サイズが大きいので、長文入力以外は指だけでもスイスイとタッチ操作できる。ムーバブル(移動可能)という特徴があるだけに、運用上のストレスのない使い勝手に貢献している。

 筆者がテストした限りは色再現性も良好で、sRGBの色域をおおむねカバーできている。ただし、表面が光沢(グレア)加工となっているので、照明などの写り込みは避けられない。この点は、好みの問題となりそうだ。

IPS液晶 2560×1440ピクセルのタッチ操作対応23.8型IPS液晶を搭載している。表面は光沢(グレア)仕上げなので、発色は鮮やかな一方、照明などが映り込みやすくなっている
輝度チェック X-rite i1 Display Pro」での計測結果(ネイティブモード)。最大輝度は310ニトで、公称値(300ニト)より少し高かった
色域チェック X-rite i1 Profiler」で作成したICCプロファイルを、「Color AC」(Phonon氏・作)で表示した。本製品(実線)の色域は、sRGBの色域(点線)とほぼ重なっており、sRGBの色空間で制作者の意図を再現できることが分かる

 本機はHDMI入力端子を備えており、外付けの液晶ディスプレイとして機能することも見逃せないポイントだ。簡単に移動できる可搬性や、自動展開スタンドによる省スペース性は、外付けの液晶ディスプレイとしても付加価値を持つ。

 仕事用や学習用に使っているノートPCの画面を拡張して効率化したり、プレゼンやデモ用の画面として使ったり、ゲームや動画などのエンタメコンテンツを楽しんだりと、幅広く活用できる。もちろん、ゲーム機やBlu-ray Discプレーヤー、外付けTVチューナーをつないで使うことも可能だ。

右側面 本体の右側面にあるHDMI端子は、出力かと思いきや“入力”となっている。その上にあるボタンを短く押すと入力切り替え(PC⇔HDMI)、長く押すとOSD設定の表示を行える
左側面 左側面には、音量調整ボタン、USB 3.2 Gen 2 Type-C端子、USB 3.2 Gen 2 Standard-A端子を備える。画面の角度は水平に対し80〜90度の範囲で調整可能だ
入力切り替え 入力切り替えボタンを押すと、PC画面とHDMI入力の切り替えができる
OSD 入力切り替えボタンを長押しするとOSDメニューが表示され、カラーモードなどを選べる。なお、OSDメニューの内容は、入力ソースによって微妙に異なる(写真はPCモード時)

モバイル向け第13世代Core i5プロセッサを搭載 その狙いは?

 CPUは、モバイル向け第13世代Coreプロセッサの中堅モデルとなる「Core i5-1335U」(Pコア2基4スレッド+Eコア8基8スレッド)を採用する。メモリもモバイルPC向けのLPDDR5-4800規格のものをオンボードで16GB搭載している。ストレージは1TBのPCI Express接続(NVMe)のSSDを搭載する。

 ビジネスや学習はもちろん、ストレージ容量にも少し余裕があるので、映画を始めとする映像コンテンツの鑑賞やカジュアルゲーム、簡易的な写真/動画の編集まで、家庭向けの普段使いのPCとしてストレスなく使うことができる

 「なぜモバイル向けCPU?」という点だが、これは省電力かつ低発熱であることを重視した結果だと思われる。低発熱であることを生かして、本機はファンレス設計となっていることも見逃せない。

 モバイルPC向けのプラットフォームを採用することで、しっかりパフォーマンスを確保しつつ、実用的な時間のバッテリー駆動と静粛さを備えており、運用の快適さにつながっている。

CPU 「CPU-Z」でCPUの仕様をチェックする。Core i5-1335Uは、性能優先のPコアを2基(4スレッド)、電力効率優先のEコアを8基(8スレッド)搭載する合計10コア12スレッド仕様だ
メモリ メモリもモバイル向けの省電力なLPDDR5-4800をオンボードで16GB搭載する
SSD ストレージは1TBと、容量に余裕を持たせている。レビューした機材では、Samsung Electronics(サムスン電子)の「PM9B1」の1TBモデルを搭載していた
ベンチマーク 「CrystalDiskMark 8.0.4」(ひよひよ氏・作)のスコア。PCI Express 4.0 x4対応SSDとしては地味ではあるが、十分快適に使える性能だ

ビデオ会議も快適な装備

 通信機能は、Wi-Fi 6E対応(IEEE 802.11ax規格)の無線LANと、Bluetooth 5.3を標準装備している。Webカメラは約500万画素で、顔認証用カメラを統合している。加えて、ノイズキャンセリング対応のアレイマイクを備えるため、ビデオ(Web)会議に高画質かつ高音質な環境で対応できる。

 オーディオブランドの「Bang & Olufsen(B&O)との共同開発によるスピーカーもかなりパワフルで、個人宅の2〜3部屋にまたがって届くほどの“音圧”を出せる。複数人でビデオ会議に参加したり、ちょっとしたイベント、プレゼンテーションなどに使ったりする場合には重宝しそうだ。

 カメラには物理的にレンズを隠すプライバシーシャッターを搭載しているので、意図せず映像が配信されてしまうことを防げる。

カメラ 画面の上に約500万画素のWebカメラ(顔認証用カメラ統合)と、デュアルアレイマイクを搭載している。カメラにはプライバシーシャッターも備えているが、シャッターを開け閉めするレバーが大きく、操作しやすいことは好印象だ
面白ポイント 本機の面白いポイントとして、ビデオ会議でのカメラ映りを良くするために、画面をリングライトのように使うユーティリティーがプリインストールされている
面白ポイント このユーティリティーでは、ライトの形状(スクエアや上下バーなども)やサイズ、色温度なども調整できる

 続いては、ベンチマークテストを通して本機の実力をチェックしていく。

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