Intelの第13世代Coreプロセッサがマイナーチェンジであったため、モバイル系やビジネスPCでは大きなインパクトはなかったが、そのぶん、使い勝手の部分はしっかり磨かれてきた。
ビジネスのトレンドは引き続き、ハイブリッドワークだ。ビデオ会議が必須要素になったここ数年の傾向を受けて導入企業にもメモリ容量の重要性が浸透し、完全にメモリ16GBが標準になった印象だ。日本マイクロソフトのエントリーモデル「Surface Laptop Go 3」にメモリ16GBモデルが加わったことにも、それは象徴されているように思う。
ビデオ会議向けの機能強化も顕著だ。マイクやスピーカーのノイズキャンセリング機能などに加えて、500万画素クラスの高画素カメラを搭載する製品も増えている。カメラを物理的に隠すプライバシーシャッターも最新のビジネス向けモデルならば「ほぼどのモデルにもついている」くらいに普及してきた。
個人的にはモバイルPCの大画面化(スタンダードPCの大画面化といってもよいかもしれない)にも注目している。モバイル用途の主力は13〜14型というすう勢は変わっていないものの、15〜16型クラスの画面を備えた薄型軽量かつ長時間バッテリー駆動ができるPCの選択肢も増えた。
デスクトップPCについては、マウスコンピューターのクリエイター向け「DAIV」シリーズに導入された新型シャシーが印象に残った。かなり大柄だがデザインが洗練されており、そのぶん放熱性能や拡張性、メンテナンス性に優れ、ハンドルがついていて設置や移動は比較的楽にできる。クリエイティブ用途における道具としての機能が追求されており、大規模な制作を行うクリエイターにとっては魅力が大きい製品だろう。
個性派では、日本HPのオールインワン型PC「HP ENVY Move All in One 24」も面白い存在だ。ファンレスの画面一体型PCにハンドルとバッテリー、自動展開スタンドを備え、カジュアルに移動して使うことができる。HDMI入力を装備しているため、単体のモニターとしても活用可能な点も魅力で、機能面/運用上の快適さともに「惜しい」と思うところがない完成度の高さに感心させられた。
最後は今後の展望だ。
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