2023年もPC USERで多くのPCをレビューしてきたが、ここでは1年のPC動向を改めて振り返ってみよう。
ゲーミングノートPCやクリエイターPCは、2023年も大きく進化した。IntelのCPUは第13世代Coreと、第12世代Coreのマイナーチェンジだったが、ノートPC向けのトップエンドに関しては、デスクトップPC向けのアーキテクチャを持ってきたことで大きくパワーアップした。
Core i9-13980HXや、その対抗格であるRyzen 9 7945HXを搭載したPCはCINEBENCH R23のCPUスコアで3万ptsを軽々と超えてきており、並のハイエンドデスクトップPCを上回るまでになっている。
2024年は新型のCore Ultra(開発コード名:Meteor Lake)を採用したPCが続々と出てくるので、それらをレビューするのが楽しみだ。
一方でGPUの進化も大きかった。NVIDIAの新世代GPUであるGeForce RTX 40シリーズは電力効率面で目覚ましい進化を遂げた。
電力効率が上がったぶん、スペックが控えめにされているためデスクトップPCや単体のグラフィックスカードとしては微妙と評価されることもあるが、放熱スペースの制限がシビアなノートPCにおいては、電力効率向上は設計の自由度をもたらし、フォームファクターの多様化(薄型軽量化)や運用時の快適さ(静音性、発熱の低さ)につながっている。
特にNVIDIA GeForce RTX 4060 Laptop GPUは、ASUS JAPANの「ROG Flow Z13(2023)」のような持ち運べるタブレットスタイルのPCにも搭載できるほどで、高性能でありながら可搬性に優れたゲーミングノートPC、クリエイティブノートPCが多く登場してきた。
ゲーミングPCとクリエイターPCの傾向としては、フォームファクターの多様化とともに、それぞれのフォーカスポイントがはっきりしてきて、すみ分けが明確になってきた傾向もある。
具体的には、ゲーミングPCではGPU性能が最優先されるとともに、画面のリフレッシュレートやキーボードのレスポンスなどが重視されるのに対し、クリエイターPCでは、メモリやストレージ容量、画面の色再現性や精細さ、Thunderbolt 4の搭載といった要素が優先される。NVIDIAがクリエイター向けに最適な体験ができると認める「NVIDIA Studio」の認定を受けている製品も多い。
特にコストの制限があるミドルクラスの価格帯では、こうしたフォーカス要素がはっきりしたことで、それぞれの用途での満足度は増しているように思う。
続いては、モバイルPCやビジネス向けPCのトレンドだ。
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