エレコムの自動給餌器は、1日に6回、1回につき最大20ポーションを出すようにセットできる。1ポーションは、フードタンク内にあるプロペラが回り、フードボウルに落ちていく1回分のことを指す単位だ。1ポーションで約7gを給餌するので、1回につき最大約140gをフードボウルに出すことができる。
タイマーを設定するにあたり、まずは時刻合わせを行わねばならない。電源投入後、操作ロック解除ボタンを長押ししてから、時計設定/給餌時間設定モード選択・解除ボタンを長押しし、「+」「−」ボタンを押して数値を入力し、時計設定/給餌時間設定モード選択・解除ボタンを短押しして決定を繰り返す。
タイマー設定は、時刻合わせ完了後、タイマーを表す時計マークに数字(1〜6)が表示されるので、時刻合わせ同様の方法で行っていく。
拙宅では猫その1に合わせた場合、合計74gを1日の間に給餌するようにすれば良い。1度にたくさん食べないため、朝と夜を多めに、それ以外では昼寝をしていない時間帯に1ポーションから2ポーションを給餌するようにセットした。
手動給餌も行えるので、在宅時であれば若干少なめにセットしても問題ないだろう。旅行に出掛けるのであれば、タイマーの枠がもう1つ空いているので、1ポーション追加すれば良い。
サイレントアクアは、水タンクに水を入れて、ポンプをセットして電源を入れればすぐに使える、というわけではない。3層360度軟水化フィルターを水道水に30分浸水させる必要がある。
下準備が終わり、水を入れて電源を投入したところ、ポンプがくみ上げた水が、中央に設置してあるアタッチメントから湧き出てきた。
ポンプの稼働音はほぼ分からないレベルだ。むしろ、自分の呼吸音の方がうるさいほどだった。
実をいうと、拙宅の猫その2は臆病なので、ステンレス製ボウルにドライフードが落ちてくる音に驚き、自動給餌器に近づかないのではないかと心配していたのだが、初めての動作音にも驚くことなく近づき、ボウルに落ちてきたフードをすぐに食べ始めてくれた。
動く水に慣れていない猫その1は、稼働し始めたばかりのサイレントアクアの水で遊んでから少しなめていたが、自動給餌器のフードボウルからフードを食べることはなかった。
夜更けになると、水の音(人間にはほとんど分からない)と動きに慣れたのか、猫その2は、積極的にサイレントアクアから水を飲むようになった。
翌日には、「え? これ、前からありましたよね?」というような顔で、タイマー設定時刻にフードが落ちてくる音を聞きつけて、自動給餌化の元へ向かうようになった猫その2。飲水量も少し増えたような気がする。
意外だったのは、猫その1のこだわりが強く、ステンレス製のボウルからなかなか食べようとしなかったことだ。ケージ内にある「いつもの餌場にフードがない」と鳴いて主張するため、自動給餌器付属のボウルからいつものプラスチック製のボウルに入れ替えなければならなかった。もう少し時間をかければ、ステンレス製ボウルでも気にせず食べるようになるかもしれない。
それぞれ、ペットオーナーが欲しかった機能を搭載した、よくできた製品なのだが、いくつか気になる点があった。
まず、自動給餌器のフタにパッキンがないことだ。乾燥剤をフタ裏に取り付けられるとはいえ、そもそも外気に触れないようにすることが望ましい。フードをボウルに落下させる機構などがあるため、完全に遮断することは難しいだろうが、実装しやすい箇所で、可能な限り外気をシャットアウトする仕組みが欲しかった。これを実装すれば、ニオイ漏れ抑止にもつながるだろう。
また、サイレントアクアに電源のオン/オフボタンがないのも気になった。就寝時にAC電源とポンプをつなぐケーブルのコネクターを毎回外さないといけないからだ。ただ、これに関しては、スマートプラグを活用し、スケジューリングさせることで解決しそうではある。
最後は、自動給餌器のボウル素材を選べるようにしてほしい、ということだ。ステンレス製のフードボウルは一般的だが、舌触りを気にする個体もいる。柔らかな感触のプラスチック、メラミン、滑らかな陶器など、いくつかオプションがあると良いと感じた。このあたりは、おいおい追加されるのだろう。
とはいえ、家主が仕事部屋にこもりきりでも時間通り適量のフードが出てくること、いつでも大量の水が飲める状態であることなど、初めてのペット家電だというのに、細かなところまで行き届いた製品であるのは間違いない。しかも、同種の他社製品よりはるかに価格が低い設定であることもありがたい。
今後、第2弾、第3弾……と回を重ねるごとにどのようにブラッシュアップしていくのか、今から楽しみだ。
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