新「M3 MacBook Air」は守備範囲の広さが魅力 MacBook Proとの違いはある? 買い替え検討者に伝えたい注目ポイント本田雅一のクロスオーバーデジタル(2/4 ページ)

» 2024年03月14日 13時00分 公開
[本田雅一ITmedia]

M1チップ搭載モデルとの比較は?

 では、M1 MacBook Air、M1 MacBook Proのオーナーは買い替えを検討すべきだろうか。M1チップとM3チップを比べると、かなり大きな性能向上をCPU、GPUともにある。しかし、M1チップはノートPC向けに極めて高いエネルギー効率を発揮しており、その効率の高さ体験価値の高さは、現在でもトップクラスにある。

 一般論で言えば、M1チップ搭載モデルからの買い替えはまだ早いといえるだろう。確かにM1チップにはMedia Engineが搭載されていないため、動画編集の処理を頻繁にやる場合は、違いを感じることもあるだろう。

 しかし、一般論で言うならば、M1チップを搭載したMacBook AirやMacBook Proと比べた場合、チップ以外にも進化している部分の方が、買い替え価値としては高いのではないだろうか。

 13インチモデル同士で比較するなら、M2 MacBook Air以降で搭載されたディスプレイはメニューバーをノッチ部分近くに表示できるため、作業領域が広がって利便性が高い。また、色再現性にしてもDisplay P3(DCI-P3)に対応しており、正確な色再現も含めて確実に表示の品質は高まった。

 さらに画素数は2倍になり、画質も向上した。内蔵カメラ、スピーカーやマイクの品質も向上しているなど、全体の体験価値のグレードアップを考えるならば、M1チップ搭載モデルからの買い替えも検討する価値はあるだろう。

photo ハードウェアの完成度は高い

 また、M1チップ搭載のMacBook AirおよびMacBook Proは2ポートのThunderboltしかなかった。現行モデルはMagSafe 3に対応しているため、Thunderboltポートを電源用に使わなくて良いと言うのも、小さいながらも地味に便利なアップデートだ。そしてもちろん、当時は存在していなかった15インチモデルがM2モデル以降にはある。

 メカニカルな設計が同じで、プロセッサだけが置き換えられたモデルチェンジでは、新プロセッサの性能に注目が集まりがちだが、M1チップ搭載モデルからの買い替えということであれば、それ以外の進化ポイントに注目すべきだろう。

ファンレス設計でも高い性能を発揮

 M1チップを搭載したMacBook Airから続くファンレス設計についても、引き続き魅力的なポイントといえるが、一方でファンレス設計であることが懸念事項になっていると言う考えもある。

 当然のことだが、ファンレス設計で十分なパフォーマンスが得られるのであれば、とりわけ持ち歩いて使うことが多いモバイルコンピュータでは、大きな利点をもたらしてくれる。

 しかし、すぐに発熱して熱を抑えるためにプロセッサ自身のパフォーマンスを抑えなければならないような状況に陥ってしまうのであれば、むしろ冷却ファンを搭載してほしいと言う意見もあるだろう。

 ファンレス設計のMacBook AirにApple Siliconを搭載した場合、熱だれ(発熱によるパフォーマンスの低下)のしにくさについてはどうか。これは全く同じ処理内容であれば、M1チップおよびM2チップよりも、新しいM3チップの方がきちんと有利になっているようだ。

photo ファンレス設計で、排気口などはない

 M3 MacBook Airが熱だれを起こすシーンは、iPad用3DMarkを用いてSolarBay Stress TestをUnlimited Modeで動かした際に顕著に発生する。

 このテストモードでは、ハードウェアによるメッシュシェーダとレイトレーシング機能がフルに動作し、画面表示に同期せず、ひたすらにグラフィック生成を続けるかなり熱設計的に厳しいモードである。

 テスト結果を見ると、繰り返しストレスを加えた十数分後にシステム全体がパフォーマンス低下を引き起こしているが、温度が復帰した時点で、速やかにパフォーマンスが戻っているのが分かる。

 実はM1チップやM2チップを搭載したMacBook Airでは、もっと緩やかな反応になる。なぜならハードウェアアクセラレーターが入っていないためだ。そもそもパフォーマンスが低いため、全体の処理量が少なく、結果的に熱だれが緩やかになっているだけで、処理パフォーマンスに対する熱効率ははるかに高いといえる。

 このことはCINEBENCH 2024の結果からも推察できる。このテストはGPUおよびCPUにおいて、高品質な3Dグラフィックスを生成するときのパフォーマンスを計測する。さらに10分間連続して処理を行った場合の性能低下についても観察できるようになっているが、CPUを100%使い切るシーンでも熱だれはほとんど無視できる、数%以内に収まっている。

 同じM3チップを搭載するiMacやMacBook Pro 14インチモデルと比較するならば、今回熱ダレが発生したケースでも性能低下は発生しない。実際にM3チップ搭載iMacでテストしてみたが、性能を長時間維持できると言う点は確認できた。

 しかし、最高性能そのものは変化がなく、高評価が連続したときの性能低下のみがMacBook Airに搭載されたM3チップとの違いであった。

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