まとめに入ろう。Intelプロセッサ搭載のMacBookを持っている方ならば、安価になったM2 MacBook Airを選ぶのではなく、積極的にM3 MacBook Airを選ぶと良いと思う。1万6000円の価格差以上の価値はそこにある。
パフォーマンスの違いについて、主にIntelプロセッサ搭載モデルとの比較を書いたが、さらにディスプレイの美しさ、スピーカーや内蔵カメラの品質を考えるならば、そこには明確な世代の違いを感じるはずだ。
ただし、引っ掛かるポイントがあるとすれば、SDメモリーカードスロットとHDMIポートの存在だと思う。これらが必要であれば、ディスプレイの品質も含めてMacBook Proの14インチモデルを検討する価値はある。
現行のMacBook Pro 14インチモデルには無印のM3チップ搭載モデルも設定されたからだ。しかし、価格を考えるならば、M3 MacBook Airの15インチモデルはかなり魅力的だ。
WindowsのモバイルノートPCと比較した場合となると、やや事情は複雑になる。
15インチモデルであれば、そもそもWindowsには競合するモデルがほとんど存在しない。少なくとも筆者にとっては、ライバルあたる機種は無いと思う。一方で、13インチモデルは、Windows PCに数多くのライバルが存在する。
M3 MacBook Airよりも軽量な製品も多い。WindowsなのかMacなのか、この点はオーナー自身が判断すべき部分だろう。
ただ、お伝えしておきたいのはスピーカー、マイク、内蔵カメラ、ディスプレイといった、感性に依存する領域の性能は、明らかにMacBook Airが整っている。
ディスプレイ表示の色再現が的確である、スピーカーの音質が立体的でバランスが良い、マイクの品質が良い、内蔵カメラの質が高い──こうした要素は、毎日持ち歩くモバイルコンピュータとしては、よほど日常的な使い勝手における重要なポイントだ。
とりわけ、内蔵マイクの品質の違いは、以前ならばさほど気にならなかったものが、オンライン会議の増加や、音声入力の性能などにより、より重要視されるポイントになっていると思う。
一方で、そうした要素にどこまでお金を支払えるのかと言う議論ももちろんある。下を見れば、機能を満たすだけであれば、より安価な選択肢はいつでも存在する。
しかしその中でM3 MacBook Airは、購入しやすい価格帯にありながら、上記のような感性に依存する要素を全て備えていると言う点で、やはり高く評価すべき入門モデルだ。
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