プロナビ

Microsoftのイベントと「AI PC」で一気に上昇する要求スペック 大きく変化するAI PC時代のPC選び:Windowsフロントライン(2/4 ページ)

» 2024年05月20日 12時30分 公開

スペシャルイベントでは何が発表されるのか

 Microsoftが出資を行い、実質的にAI方面でのメインパートナーとして機能しているOpenAIだが、5月13日(米国時間)に「GPT-4o」を発表している。カメラ映像を介してのマルチモーダルの処理強化に加え、従来のGPTに比べ処理速度が2倍になったことでレスポンスが向上しており、より自然な形で対話が可能になっているのが特徴だ。

 現在、MicrosoftではこのGPTのベースになっている大規模言語モデル(LLM)を応用して同社製品群のインタフェースを強化する「Copilot」の名称が付くサービスを水平展開しており、この波はWindowsにも到来しつつある。当然ながら、次世代Windowsもまたこの動きとは無縁ではない。

 イベントではMicrosoftの最新の「AI」への取り組みについて言及が行われると思われるが、その一部はWindows上で展開され、実際にデモンストレーションを交えて披露されるだろう。

 実際に搭載が見込まれる機能についてWindows Centralのザック・ボーデン氏が言及しているが、「AI Explorer」「Windows Studio Effects」「Live Captions」については各方面の報道でもたびたび触れられている。

Windowsで再生される音声をOSレベルで認識し、リアルタイムで文字起こしをしてくれるライブキャプション機能 Windowsで再生される音声をOSレベルで認識し、リアルタイムで文字起こしをしてくれるライブキャプション機能

 AI Explorerは説明を聞く限り、既に廃止されている「タイムライン」のAI版のような機能で、過去の作業記録を自然言語による対話で再現できるというものだ。該当する機能は「Recall」と呼ばれているが、従来との違いはNPUとLLMを利用する点で、インタフェース的にはCopilotの一種に近いものと考えられる。

 Windows Studio Effectsについては既存機能の強化版で、背景の入れ替えのみならず、人物画像の最適化などをリアルタイムで施せる。Live Captionsについては、Windows上で再生されている音声に対してリアルタイムで好みの言語のキャプションを表示させることができる。アクセシビリティー機能であると同時に、リアルタイム翻訳も担っている。

Windows Studio Effectsの設定をタスクバーからすぐにアクセスできるようにするなど、細かな改良が加えられている Windows Studio Effectsの設定をタスクバーからすぐにアクセスできるようにするなど、細かな改良が加えられている

 だがおそらく、このイベントでの最も大きなトピックとなるのは「ローカルLLM」だろう。特に生成AI(Generative AI)を“オンデバイス”で動作させる仕組みとなる。現状でもPC上でLLMを動作させることは可能だが、大きく2つのボトルネックが存在する。

 一般に、LLMにおける性能の優劣の指標の1つにパラメーター数があり、パラメーター数が多いほど複雑な(より多様な)処理が可能になるとされている。これに学習データ量(トークン)などの要素が加わることで、対応可能な受け答えの幅が広がることになる。

 これら数値が大きいほど“優秀”なLLMと言えるかもしれないが、難しいのは学習データ量が増えるほどLLM(モデル)のサイズが大きくなり、パラメーターが増えるとその処理のために高速なプロセッサやデータを展開するための“メモリ”が必要になるというワナがある。

 それゆえ「でかけりゃいいもんじゃない」という図式があり、実際に公開されているLLMも用途に応じて複数の学習データ量やパラメーター数のモデルが用意され、実行環境に合わせて最適なものを選ぶことが重要になる。

 例えば1年半前に登場して話題となったChatGPTだが、ベースとなったGPT-3.5のパラメーター数は1750億、つまり「175B」だと公表されている(BはBillionの略)。細かい部分は省略するが、LLMを「推論」で実行する場合に要求されるメモリは最低でも「○○B」で表現されるパラメーター数の「○○」の部分の1〜1.2倍程度の「○○GB」のメモリが必要で、「学習」を行う場合はさらに10倍程度のメモリが必要になるとされている。

 比較的優秀で大規模なローカルLLMでは70Bや130Bといったパラメーターが設定されているが、それぞれ80GBや150GB程度のメモリが最低限必要ということになる。加えて、これらを高速で処理するための「プロセッサ」と「メモリ」が必要となるわけで、この条件を満たせなければレスポンスが“非常に遅い”LLMとなってしまい、実用に耐えないというわけだ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年10月24日 更新
  1. “置き場所に困る”大容量ポタ電の壁を打破! 冷蔵庫を3日動かすEcoFlow「DELTA Gen4」シリーズが日本上陸 (2026年10月23日)
  2. 若者向けのカラフルな新「Dell 14S」が日本上陸 11月1日まで4.5万円引きの14万9800円から (2026年10月22日)
  3. FCCLが「FMV Keyboard X」の一般販売を開始 ハイスペックマウス「FMV Mouse X」も同時発売 (2026年10月22日)
  4. 折りたたみ型から薄型まで! スマホやタブレットで“本気”の文字入力に使える持ち運び用キーボードを選ぶコツ (2026年10月23日)
  5. 「Galaxy Watch9」を1週間使って分かったこと Pixel Watchと比べた使い勝手は? (2026年10月23日)
  6. 「iPhone Duo」を1週間使って分かった、全部盛りではない“上質さ” 心地いい開閉ヒンジの内部を見るために“非破壊検査”してみた (2026年10月21日)
  7. 天空が12月25日に発売する「GPD WIN Max 3」国内正規版 実機に触れてきた (2026年10月23日)
  8. 約22万円の新型「Mac mini」で初めてのローカルAI体験 ストレージの価格高騰対策にピッタリかも (2026年10月20日)
  9. スマホは「バッグの中」から「外」へ AULUMUのスリングバッグ2種で移動時のプチストレスを解消した (2026年10月22日)
  10. PFUから33万円キーボード「HHKB Professional Elite」登場! 英語配列のみで有線特化の“原点回帰” 全世界300台限定 (2026年10月22日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー