さて、いよいよグラフィックスカードの製造ラインを見学です。ここは本来は入ることができない重要な場所ですので、じっくりと見せてもらいました。
まず、基板が1枚ずつ流れてきて、ハンダパウダーが塗布されます。
ハンダ付けというと、ハンダごてを使った作業をイメージしますが、ハンダ付けしなければならない場所が膨大な上に細かいので、ハンダパウダーを基板に塗布して(載せて)、その上に部品を載せて、高温で温めることでハンダ付け(いわゆる「リフロー」)、という手順を取ります。
ハンダの塗布からパーツ載せまで、ものすごいスピードで進むこともあり、見ていてとても楽しいです。
リフロー作業ですが、少し長いレーンで行われます。その後、機械を使って正しくハンダ付けされているかどうかを確認し、問題ない場合は「OK」のトレイに載せられて、次の工程に運ばれます。
ここまでのプロセスでは、一部のパーツが搭載されていません。それは次のプロセスで載せるのだそうです。その「次のプロセス」は別のラインで行われるのですが、見学日はそのラインが稼働しておらず、見学はかないませんでした……。残念!
残りのパーツを取り付けた後、ヒートシンクや冷却クーラーなども取り付けたら、製品が正常に動作するかのテストが行われます。テスト対象は生産“全数”ですが、PC USERを含むPC関連メディアにおける「ベンチマークテスト」でよく見かける環境とそっくりです。
なお、「互換性テスト」や「極端温度検査(0〜150度の環境での稼働テスト)」については、全数ではなくランダムに固体を抜き取って行っています。
工場見学の最後は、TUL/PowerColorブランドのグラフィックスカードの展示コーナーです。壁面には、過去に発売されたほとんどの製品が飾られているそうです。
皆さん、どれがどんな製品だか分かるでしょうか……?
こちらはSilicon Integrated Systems(SiS)のAGP接続GPU「SiS 6326 AGP」を搭載したグラフィックスカード。SiSはGPU(やチップセット)の開発からは撤退しており、現在はタッチセンサーやアクティブペン、MEMSマイクの開発/製造を手掛けていますグラフィックスカードの製造の流れや、カスタマーサービスの“裏側”を垣間見ることができて大変参考になりました。この場を借りて、TULには感謝を伝えたいと思います。
記事の締めとして、COMPUTEX TAIPEI 2024におけるPowerColorブースの様子もお伝えしようと思います。
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