さて、本製品の注目ポイントは何といってもRingのカメラとしては初となる、パンチルトの操作性だろう。これまでの同社のカメラは固定画角の製品ばかりだっただけに、パンチルトの操作性の良し悪しは気になるところだ。
結論から言うと、基本的な機能は過不足なくそろっており、使い勝手も良好である。アプリ下部にある「回転」というメニューをタップすると、上下左右に操作できるコントローラーが出現する。これをタップして左右方向のパン、上下方向のチルト操作を行う仕組みだ。
レスポンスはきびきびとしており、タップしたのに無反応でもう一度タップしたところタップ2回分がまとめて動いてしまうといった、ストレスの原因になりがちな動作はない。小刻みな動きにも対応しており、前述のATOM Cam Swingではありがちな、角度の変更が行き過ぎてしまって戻すとまた行き過ぎてしまうといった挙動も見られない。
この他、設定画面からはホームポジションの指定や、カメラがあらぬ方向を向いてしまった時にリセットする機能も用意されているなど、パンチルト対応のカメラとして、基本機能は過不足なくそろっている。
ライブ画面で下段の「回転」というメニューをタップすると、画面下半分にコントローラーが表示される(左)。最大限上を見たところ。真上までは見られない(中央)。最大限下を見たところ。真下までは見られないが、十数cm程度の距離でもきちんとピントが合うのは秀逸だ(右)
「一般設定」の画面を見ると、従来の屋内向けモデルにはなかった「ホームポジション」という項目が新たに追加されている(左)。「ホームポジション」をタップすると、カメラのどの向きをホームポジションとして扱うかを設定できる(中央)。リセットボタンをタップすると位置のズレを修正してくれる(右)ただし基本機能は充実している反面、多機能というわけではない。具体的には、ホームポジション以外に複数のポジションを登録し、ワンタップするだけでそれらに切り替える機能や、それらを自動巡回するような機能はない。また、被写体を自動追従する機能も搭載していない。このあたりは先行メーカーの製品に比べ、控えめな印象だ。
とはいえ他社製品ではどれだけ機能が多くとも、タップしてからの反応が遅く、イライラさせられることも少なくないので、常時きびきびと動く本製品の印象は悪くない。将来的に機能が増えていけば、そういった他社製品をトータルで上回る可能性は高いだろう。
なおパンチルト関連で気をつけたいのが、本体を極端に傾けた状態でパンチルトを行うと、バランスを失ってカメラが転倒する可能性があることだ。何せ本製品は左右360度 上下169度と広範囲に可動するため、カメラを大きく傾けた状態から回転させようとすると、重心が不安定になるのは当然だ。
本製品は壁掛けでの設置や、天井への取り付けにも対応しており、こちらの場合は固定されていることからこういった問題は発生しない。デスク上などに据え置きで設置する場合も、何らかの方法で台座を固定した方が、利用にあたって気を使わずに済むだろう。
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