ここからは、Core Ultra 5 265KとCore Ultra 9 285Kの実力をベンチマークテストを通して検証する。
今回はASUS JAPANから最新マザーボード「ROG STRIX Z890-A GAMING WIFI」を借りつつ、Core Ultra 200Sプロセッサで初めて対応した“定格”のDDR5-6400規格のCUDIMM(16GB×2)を用意してテストを行った。
今回は過去に行った「Coreプロセッサ(第14世代)」のテストの結果も参考として掲載するが、グラフィックスカード(GPU)による差を防ぐために、今回は手持ちの「Radeon RX 7800 XT」で計測している。ただし、OSのバージョンやメモリの容量に差分があるため、スコアの比較は参考程度に捉えてほしい。
メモリモジュールは「パソコンSHOPアーク」で販売されているDDR5-6400規格のCUDIMM(16GB×2)を使用した。オーバークロックなどをせずとも、今回のマザーボードでは“定格の”DDR5-6400メモリとして認識される手始めに、3Dレンダリングを通してCPUの性能を確認する「CINEBENCH R23」を実行してみた。スコアは以下の通りだ。
シングルコアのパフォーマンスは、先代から着実に向上している。Core Ultra 5 245Kでも、わずかながらCore i7-14700Kのスコアを上回っている。
一方、マルチコアのパフォーマンスを見てみると、最上位のCore Ultra 9 285Kは、先代のCore i9-14900K比で約89%のスコアとなった。
実際の利用シーンでは、CPUの全コアが一斉に使われるケースは少ない。そのため、全体的にはCore Ultra 200Sプロセッサの方がメモリのアクセス速度も相まって動作が高速に感じられるだろう。
もう1つ、CPUを使うテストとして「Blender Benchmark」も試してみた。
その名の通り、Blender Benchmarkは2D/3Dアニメーション制作ツール「Blender」をベースとしたベンチマークテストアプリで、レンダリングを通してCPUやGPUのパフォーマンスをチェックできる。
今回は「Monster」「Junkshop」「Classroom」の3つのシナリオをCPUで実行し、1分当たりに生成できたサンプル(オブジェクト)の数を比較する。結果は以下の通りだ。
エントリーCPU同士の比較では、Core Ultra 5 245Kは先代よりも着実に性能が上がっている。一方、ハイエンドCPU同士だと、Core Ultra 9 285Kは僅差だが先代に勝ったり負けたりしている。
このくらいの僅差であれば、今後リリースされるであろうUEFI(BIOS)のアップデートで行われるマイクロコードの更新などで十分に逆転できるだろう。
今回は、3Dグラフィックスベンチマークアプリ「3DMark」に含まれる「CPU Profile」テストも実施した。
このテストでは「スレッド数」を指定してCPUパフォーマンスをチェックできることが特徴で、一定以上のスレッド数でテストをすればハイパースレッディングの有無がもたらす影響を確認できると考えた。結果は以下の通りだ。
いずれのスレッド数でも、Core Ultra 200Sプロセッサが優位に立った。ハイパースレッディングに対応する代わりに「Pコアの処理効率を高める」「Eコアを増やす」という設計方針には、一定の説得力があることが分かった。
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