続けて、PCの総合ベンチマークテストアプリを試していく。まずは定番中の定番の「PCMark 10」の総合スコアを比べてみよう。
- Core Ultra 5 245K:9539ポイント
- Core Ultra 9 285K:9954ポイント
- Core i5-14600K:1万111ポイント
- Core i7-14700K:1万473ポイント
- Core i9-14900K:1万565ポイント
同等の先代プロセッサと比べると、572〜611ポイント低くなった。ただ、このくらいの差であれば実際に使う場合に差を感じることはないだろう。
PCMark 10の総合スコア
このスコアの傾向は他の総合ベンチマークテストでの同様なのか――気になった筆者はもう1つの定番テストアプリ「CrossMark」も試してみた。総合スコアは以下の通りだ。
- Core Ultra 5 245K:2157ポイント
- Core Ultra 9 285K:2372ポイント
- Core i5-14600K:2153ポイント
- Core i7-14700K:2360ポイント
- Core i9-14900K:2442ポイント
先代との比較では、Core Ultra 5 245Kは4ポイント上で、Core Ultra 9 285Kは70ポイント下となった。この程度なら誤差の範囲内ともいえ、やはり日常利用ではCoreプロセッサ(第14世代)との差を感じることはないだろう。
CrossMarkの結果
続けて、3Dグラフィックスベンチマークにおける定番アプリ「3DMark」で主要なテストを実行してみよう。今回は先代とGPUをそろえてテストを行っているため、スコア差の大部分はCPUのパフォーマンス差ということになる。総合スコアは以下の通りだ。
- Fire Strike(DirectX 11ベース/フルHD描画)
- Core Ultra 5 245K:3万7718ポイント
- Core Ultra 9 285K:3万5645ポイント
- Core i5-14600K:3万9108ポイント
- Core i7-14700K:4万3037ポイント
- Core i9-14900K:4万3982ポイント
- Fire Strike Extreme(DirectX 11ベース/WQHD描画)
- Core Ultra 5 245K:2万3623ポイント
- Core Ultra 9 285K:2万3855ポイント
- Core i5-14600K:2万4541ポイント
- Core i7-14700K:2万5824ポイント
- Core i9-14900K:2万6402ポイント
- Fire Strike Ultra(DirectX 11ベース/4K描画)
- Core Ultra 5 245K:1万2594ポイント
- Core Ultra 9 285K:1万2595ポイント
- Core i5-14600K:1万3289ポイント
- Core i7-14700K:1万3663ポイント
- Core i9-14900K:1万3589ポイント
- Time Spy(DirectX 12ベース/WQHD描画)
- Core Ultra 5 245K:1万8799ポイント
- Core Ultra 9 285K:1万9256ポイント
- Core i5-14600K:1万9659ポイント
- Core i7-14700K:1万9572ポイント
- Core i9-14900K:1万9953ポイント
- Time Spy Extreme(DirectX 12ベース/4K描画)
- Core Ultra 5 245K:9249ポイント
- Core Ultra 9 285K:9750ポイント
- Core i5-14600K:9302ポイント
- Core i7-14700K:9621ポイント
- Core i9-14900K:9989ポイント
- Port Royal(リアルタイムレイトレーシング/4K描画)
- Core Ultra 5 245K:1万486ポイント
- Core Ultra 9 285K:1万476ポイント
- Core i5-14600K:1万463ポイント
- Core i7-14700K:1万449ポイント
- Core i9-14900K:1万474ポイント
解像度や負荷が高いほどスコア差が縮まり、Core Ultra 200Sプロセッサが僅差で勝利するテストもあったものの、Core Ultra 200Sプロセッサの方が微妙にスコアが低い傾向だ。
先代のテスト時とグラフィックスドライバーのバージョンが異なるため単純比較は難しいが、同じグラフィックスカード(GPU)を使う前提では、Core Ultra 200Sプロセッサでは感じられるかどうか微妙なレベルのパフォーマンス差が出るかもしれない。
ちなみに「Core Ultra 200Sプロセッサの内蔵GPUはどう?」と考えている人もいるかもしれないので、内蔵GPU(Intel Graphics)単体でも上記のテストを行った。総合スコアは以下の通りだ。
- Fire Strike(DirectX 11ベース/フルHD描画)
- Core Ultra 5 245K(内蔵GPU):5422ポイント
- Core Ultra 9 285K(内蔵GPU):5570ポイント
- Fire Strike Extreme(DirectX 11ベース/WQHD描画)
- Core Ultra 5 245K(内蔵GPU):2663ポイント
- Core Ultra 9 285K(内蔵GPU):2719ポイント
- Fire Strike Ultra(DirectX 11ベース/4K描画)
- Core Ultra 5 245K(内蔵GPU):1264ポイント
- Core Ultra 9 285K(内蔵GPU):1297ポイント
- Time Spy(DirectX 12ベース/WQHD描画)
- Core Ultra 5 245K(内蔵GPU):2419ポイント
- Core Ultra 9 285K(内蔵GPU):2526ポイント
- Time Spy Extreme(DirectX 12ベース/4K描画)
- Core Ultra 5 245K(内蔵GPU):1160ポイント
- Core Ultra 9 285K(内蔵GPU):1212ポイント
- Port Royal(リアルタイムレイトレーシング/4K描画)
- Core Ultra 5 245K(内蔵GPU):760ポイント
- Core Ultra 9 285K(内蔵GPU):897ポイント
CPUに統合された内蔵GPUとしては、そこそこ性能が高い。軽いゲームタイトルなら、グラフィックスカードを用意しなくても十分に楽しめる。
グラフィックスカードを搭載した場合でも、配信アプリやグラフィックス関連のアプリが行う処理を内蔵GPU(あるいはNPU)に振り分けることでグラフィックスカードに対する負荷を軽減できる。よほどのことがなければ、今回ばかりは内蔵GPU付きのモデルを買った方が便利に使えるだろう。
3DMarkの結果
続けて、実際のゲームをベースとする「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク(FF14ベンチマーク)」を試してみる。本来なら最新の「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマーク」を使いたいところだが、先代との比較のために旧バージョンでの計測としている。
ベンチマークテストは画質を「最高品質」設定として、解像度はフルHD(1920×1080ピクセル)、WQHD(2560×1440ピクセル)、4K(3840×2160ピクセル)の3種類で実行した。スコアは以下の通りだ(内蔵GPUでの計測結果を含む)。
- フルHD
- Core Ultra 5 245K:2万8321ポイント
- Core Ultra 9 285K:2万9951ポイント
- Core i5-14600K:3万233ポイント
- Core i7-14700K:3万2003ポイント
- Core i9-14900K:3万2896ポイント
- Core Ultra 5 245K(内蔵GPU):4664ポイント
- Core Ultra 9 285K(内蔵GPU):4859ポイント
- WQHD
- Core Ultra 5 245K:2万3484ポイント
- Core Ultra 9 285K:2万4344ポイント
- Core i5-14600K:2万5076ポイント
- Core i7-14700K:2万6167ポイント
- Core i9-14900K:2万6709ポイント
- Core Ultra 5 245K(内蔵GPU):2876ポイント
- Core Ultra 9 285K(内蔵GPU):2968ポイント
- 4K
- Core Ultra 5 245K:1万2763ポイント
- Core Ultra 9 285K:1万2982ポイント
- Core i5-14600K:1万2878ポイント
- Core i7-14700K:1万2938ポイント
- Core i9-14900K:1万2890ポイント
- Core Ultra 5 245K(内蔵GPU):1133ポイント
- Core Ultra 9 285K(内蔵GPU):1346ポイント
傾向としては3DMarkと一緒で、基本的に先代の方がスコアがよく、解像度が高くなるほど差が縮まるといった感じだ。高負荷になるほど、Core Ultra 200Sプロセッサの“力”は発揮しやすくなるのだろうか……?
ちなみに、FF14ベンチマークは「ハイパースレッティングを無効にした方がスコアが伸びる」という指摘もある。だが、今回のテストではそのような傾向が見受けられなかった。
FF14ベンチマークの結果
続けて、やや負荷の大きい「FINAL FANTASY 15 WINDOWS EDITION BENCHMARK(FF15ベンチマーク)」も実行してみよう。こちらは画質を「高品質」とした上で、フルHD/WQHD/4Kの3解像度で計測した。結果は以下の通りだ。
- フルHD
- Core Ultra 5 245K:1万6383ポイント
- Core Ultra 9 285K:1万6358ポイント
- Core i5-14600K:1万6628ポイント
- Core i7-14700K:1万6536ポイント
- Core i9-14900K:1万6489ポイント
- Core Ultra 5 245K(内蔵GPU):1787ポイント
- Core Ultra 9 285K(内蔵GPU):1634ポイント
- WQHD
- Core Ultra 5 245K:1万2184ポイント
- Core Ultra 9 285K:1万2593ポイント
- Core i5-14600K:1万2376ポイント
- Core i7-14700K:1万2439ポイント
- Core i9-14900K:1万2422ポイント
- Core Ultra 5 245K(内蔵GPU):1380ポイント
- Core Ultra 9 285K(内蔵GPU):1458ポイント
- 4K
- ≪Core Ultra 5 245K:7020ポイント
- ≪Core Ultra 9 285K:7231ポイント
- Core i5-14600K:7203ポイント
- Core i7-14700K:7142ポイント
- Core i9-14900K:7401ポイント
- Core Ultra 5 245K(内蔵GPU):801ポイント
- Core Ultra 9 285K(内蔵GPU):830ポイント
負荷が大きいからか、フルHD解像度の時点でスコア差はあまりない。一部でCore Ultra 200Sプロセッサが勝っている部分もある。
FF15ベンチマークの結果
各種ベンチマークテストでは、単純に「処理スピードを測っている」というだけでは説明できないスコア差が生じることもある。スコア計算の考え方(アルゴリズム)が公開されているなら、ある程度まで差が生じる理由を考察できるのだが、そうとも限らない。
もしもスコアに「論理プロセッサ(処理できるスレッド)の数」あるいは「論理プロセッサの利用状況」が加味されるとなると、ハイパースレッディング非対応のCore Ultra 200Sプロセッサは不利となりうる。
「でも、先代と比べてほぼ同じかちょっと遅いとなぁ……」と、どうしても思ってしまう人もいるだろう。そこでチェックしたいのが消費電力だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.