CES 2025で披露された新しい「AIワークステーション」も、日本投入が決定した。14型モバイルワークステーション「HP ZBook Ultra G1a」と、小型デスクトップワークステーション「HP Z2 Mini G1a 14」だ。モデル名からも分かる通り、いずれもAMDの最新APUを搭載している。
ZBook Ultra G1a 14は、Ryzen AI MAX/Ryzen AI MAX PROプロセッサを搭載している。メモリ(LPDDR5X-8533規格)は最大128GBまで対応している。ストレージはPCI Express 4.0接続のSSDを最大2台搭載可能で、容量は最大4TBとなる。
ディスプレイは1920×1200ピクセルの14型液晶か、2880×1800ピクセルの14型有機ELとなる。グラフィックスメモリはメインメモリと共有だが、最大96GBまで占有可能だ。本体重量約2.3kgで、ACアダプターは300W出力のものが付属する。
Z2 Mini G1aは、約168(幅)×200(奥行き)×86(高さ)mmのコンパクトさが魅力のデスクトップワークステーションだ。こちらもRyzen AI MAX PROプロセッサを搭載している(非PROモデルはない)。メモリ(LPDDR5X-8533規格)は最大128GBまで対応している。ストレージはPCI Express 4.0接続のSSDを最大2台搭載可能で、容量は最大4TBとなる。
両機とも外部GPUは搭載していない。しかし、プロセッサに統合されたGPUやNPUは強力で、「PyTorch」や「TensorFlow」など主要AIフレームワークを単独で稼働できる実力を備える。HPでは小規模言語モデル(SLM)のファインチューニングなど、従来はサーバ環境が必要だった開発作業をワークステーション上で実現できるとしている。
ZBook Ultra G1a 14がは3月中旬の発売予定で、最小構成の想定価格は31万6800円となる。Z2 Mini G1a Workstationは5月以降の発売を予定しており、価格はまだ決まっていないとのことだが、「最上位構成でも70万円台を見込んでいる」(担当者)。
ゲーミングPCでは、OMENブランドから「OMEN MAX 16」「OMEN 16L」の2モデルを発売する。
OMEN MAX 16は、その名の通り16型ディスプレイを備えるゲーミングPCだ。Core Ultra 200HXプロセッサを備えるIntel版が4構成、Ryzen AI 300プロセッサを備えるAMD版でが2構成用意される。
メモリはいずれもDDR5-5600規格のSO-DIMM×2で、容量は32GBまたは64GBを選べる(32GBメモリ構成で容量を増やす場合は換装が必要)。外部GPUはGeForce RTX 50 Laptop GPUシリーズで、Intelモデルでは最上位の「GeForce RTX 5090 Laptop GPU」を備える構成もある。ストレージはIntelモデルがPCI Express 5.0接続、AMDモデルがPCI Express 4.0接続のSSDで、容量は1TBだ。
ディスプレイは2560×1600ピクセルの16型で、60〜240Hz駆動に対応するIPS液晶(最大輝度500ニト/sRGB 100%カバー)か、48〜240Hz駆動に対応する有機EL(最大輝度400ニト/DCI-P3 100%カバー)が用意されている(有機ELディスプレイはIntelモデルのみ)。
冷却機構には「OMEN Cryo」とベイパーチャンバーを採用し、最新かつ高性能なCPUとGPUをしっかりと冷やせるようになっている。キーボードは日本語配列で7色に光る他、本体下部も間接照明のように演出する。本体重量は約2.68kgだ。
本機では、プリインストールされているユーティリティーアプリ「OMEN Gaming Hub」に「OMEN AI」というAI機能が統合されている。OMEN AIは機械学習ベースのAIで、ゲームに最適なシステム設定を自動的に行うという。ただし、ゲームタイトルごとに設定を行うため、対応タイトルでないと原則として利用できない。
OMEN 16Lは、その名の通り容積16Lのタワーボディーを備えるゲーミングデスクトップPCだ。Coreプロセッサ(第14世代)またはCore Ultra 200Sプロセッサを搭載するIntel版と、Ryzen 8000Fプロセッサを備えるAMD版が用意されているが、いずれも内蔵GPUなしの「F」プロセッサとなる。
外部GPUはモデルによってGeForce RTX 3050、GeForce RTX 4060、GeForce RTX 4060 Tiのいずれかとなる。メモリはDDR4-5600規格のDIMM×2で、容量は16GBまたは32GBだ(16GB構成で増量する場合は換装が必要)。ストレージはPCI Express 4.0接続の1TB SSDとなる。
約155(幅)×308(奥行き)×337(高さ)mmのコンパクトサイズながら、最大500W出力の80PLUS PLATINUM認証取得電源を内蔵している。
OMEN MAX 16のIntel版は2月中旬の発売を予定しており、最小構成の想定価格は52万8000円となる。AMD版については4月中旬の発売予定で、価格は後日公開される。
OMEN MAX 16はIntel版とAMD版共に2月中旬の発売を予定しており、最小構成の想定価格はIntel版が22万円、AMD版が20万9000円となる。
発表会の本編では触れられなかったものの、個人向けのディスプレイ一体型デスクトップPC「HP OmniStudio X」にも新モデル(G2)が登場する。
デザインは従来モデルを踏襲しているが、CPUがCore Ultra 200Vプロセッサに変更された他、ディスプレイの縁やロゴが黒基調に変更され、見た目が引き締まった。最小構成の価格は27型モデルが22万900円、32型モデルが34万9800円となる。発売時期は追って公開される予定だ。
HP OmniStudio X 27 G2の実機。外観は現行モデルと大きく変わらないが、カラーリングが違うので引き締まって見える。海外仕様なのでキーボードがUS配列となっているが、製品には日本語配列のものが付属する
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