WD_BLACK SN7100は、どの容量もいわゆる「片面実装」となっている。NANDやコントローラーチップは全て表面に集中実装されており、背面に部品は一切ない。そのため、M.2スロットとのクリアランスが狭いPCでも組み込みやすい。
今回レビューしている2TBモデルの場合、NANDチップは1枚構成となる。2TBというとそこそこに大容量だと思うのだが、1チップで収まるのは驚きだ。
以前のレビューで使ったWDのメインストリーム向けM.2 SSD「WD Blue SN5000(4TBモデル)」と並べてみる。WD Blue SN5000は4TBモデルのみWD製のQLC 3D NANDを利用しているのだが、NANDモジュールの数を除くと外観は酷似している片面実装だけなので、モジュールの裏面には部品が実装されていない……のだが、本製品ではなぜか「SanDisk」のロゴが印字されている。「あれ、WDブランドの製品なのに、なぜSanDiskロゴが……?」と、若干混乱する。
SanDiskは元々、フラッシュメモリ関連製品を手掛ける独立した企業だったが、2016年5月付でWDに買収された。米国におけるSanDiskは法人としては存続したものの、買収以降の製品はWDを通して販売されることになった。
日本ではWDとSanDiskがそれぞれ「ウエスタンデジタルジャパン」「サンディスク」という現地法人を設立し、買収後もしばらく併存していたが、2021年1月1日付でサンディスクを「ウエスタンデジタル」と商号変更した上で法人を一本化している(※1)。
(※1)商号変更と同時に法人形式を「株式会社」から「合同会社」に改めている。なお、WDの日本法人としてはHDDの開発/製造を手掛ける「ウエスタンデジタルテクノロジーズ」(旧日立グローバルストレージテクノロジーズ→HGST)も存在する
本製品の基板にWDロゴではなくSanDiskロゴが刻印されているのは、WDがSanDisk(フラッシュメモリ関連事業)を再度分離する動きと関連しているのだろうか……?
日本でも直販ストアが「HDD製品(WDブランドサイト上)」と「フラッシュメモリ製品(SanDiskブランドサイト上)」に分かれている。米国では、SanDiskブランドのリニューアルが発表されており、2月11日(米国太平洋時間)には企業としてのSandiskの投資家説明会も開催される予定だ(参考リンク)。
ともあれ、今回の新製品はWDからSanDisk改め「Sandisk」が再分離する前の“過渡期”ならではの製品となるかもしれない。ただし、現時点でWD(やウエスタンデジタル)からSandisk分離後の製品名に関する案内はない。WD_BLACKのようにHDDとフラッシュメモリに“またがる”ブランドもあるため、簡単に整理できないような気もするが、どうなるか……。
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