オフィス環境と新事業領域、どちらのソリューション事業戦略でも重要な位置を占めているのが、発表したばかりのdynaEdge XR1(以下、XR1)だ。
インタフェースにはUSB Type-Cが備わっており、対応するPCと接続してディスプレイを拡張できる。同時発表したXRコントローラー「dynaEdge C1」(ダイナエッジ シーワン。以下、C1)に接続すれば、視界に情報を表示するような機能を単体でも利用できる。
XR1は、一般的なXRグラスと異なり、光学モジュールが透過型だ。そのため、視界にデジタル情報を重ねて表示できる。
レンズとレンズの間(眉間部分)には複数のカメラやセンサーが搭載されており、将来はモーショントラッキングに対応するという。
ビームフォーミングマイクやステレオスピーカーも備わっており、Bluetooth接続したスマートフォンを介した通話も行える。AIに音声で質問するといった使い方も想定する。
光学モジュールの解像度は片目1920×1080ピクセル、視野角は45度、輝度は最大1000ニトだ。加速度センサー、ジャイロセンサー、コンパスも内蔵している。
製品には視力矯正のためのインサートレンズ用フレーム、高さ調整のためのノーズパッドが付属する。重量は約89gだ。
C1は、操作用のボタンとタッチパッドを備えている。加速度センサーとジャイロセンサーも内蔵しており、ボタンだけでなくモーショントラッキングによりカーソルを移動させて操作できる。
XR1とはUSB Type-Cケーブルで接続する。XR1のバッテリーも兼ねているが、C1を電源に接続すれば、バッテリー残量を気にせず使い続けられる。
Dynabookの小川岳弘氏(ニューコンセプトコンピューティング統括部 NCCソリューション戦略部部長)は、C1を接続するだけで実現するAIアシスト機能について解説した。
【訂正:2025年3月12日午前11時8分 記事初出時、小川岳弘氏とは異なる写真を掲載していました。訂正してお詫びいたします。】
| 機能 | 内容 |
|---|---|
| 会話アシスト | 相手の顔を見ながら相手の話した内容を文字起こしし、自国語に翻訳する。また少し前に話した内容をさかのぼる、会話内容のキーワードを表示するなど会話しやすくする |
| ビューサーチ | 見えている景色を認識して解説する。テキスト表示だけでなく音声読み上げも可能 |
| ビジュアル翻訳 | 行き先掲示板やレストランのメニュー、通りの看板など風景の中にある文字列を認識して翻訳する。音声読み上げも可能 |
| ドキュメント要約 | 撮影した資料の文字を認識してAIが要約する。音声読み上げも可能 |
| 音声質問 | 気になることを音声で質問して、音声でAIが回答する。テキストを表示することもできる |
カメラ機能により、見えている風景をそのまま撮影すること、遠くて見づらい文字などを拡大して表示するといったことも可能で、「身につけられるAIコンピューティングで、生活をよりしやすくなるよう支援するソリューションとなっている」と小川氏は説明した。
専用アプリケーション「dynaEdge XRワークスペース」をインストールしたPCと接続することで最大3画面の仮想デスクトップをグラス内に表示できるので、セキュリティを確保しつつ新しいワークスタイルを実現できる。
「XR1だけではできることが限られるが、パーソルクロステクノロジーなどソリューション開発パートナーと協業することで、XR技術とAI技術で新たな未来のソリューションを作り出していきたい」と、小川氏は締めくくった。
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