Dynabookは8月9日、ベルサール秋葉原(東京都千代田区)でリアルイベント「ダイナブック大作戦 in 秋葉原」を開催した。同社の前身である東芝のPC部門が、世界初のノートPC「DynaBook J-3100 SS001」を発売してから35周年を迎えたことを記念した催しで、今日(8月10日)も午前11時から午後7時30分まで開催されている。入場は無料だ。
イベントでは、初代から最新の「dynabook R9/X」まで、dynabook(DynaBook)の歴史をたどれる展示が行われている他、AI(人工知能)を身近に感じられるワークショップ/セミナーや体験イベントなどが実施されている。
この記事では、歴代dynabookの展示を中心に、本イベントの見どころを紹介する。
会場へ入るとあちらこちらで目にするのが「dynabook×AI」のサインだ。これはワークショップの会場で、「音楽生成・編集」「資料生成・作成」「動画生成・編集」の3つの“切り口”でPC(dynabook)から活用できるAIを体験できる。
……のだが、AI体験をする前に、まずdynabookの歴史を“一気見”できる展示コーナー「The History of dynabook」を見てみよう。
コーナーの最も左側、つまり年表でいうところの最も古い場所に置かれていたのは、1987年7月に発売されたポータブルPC「J-3100GT」だ。PC/AT互換機をベースに、東芝が独自に日本語表示機構を追加した「J-3100シリーズ」の第2世代に相当し、日本においてラップトップPC市場が本格的に立ち上がるきっかけを作ったモデルとなる。
外観は、1980年代に普及したワープロ専用機(東芝でいうところの「Rupo」)にそっくりだが、それよりも分厚い。「ラップトップ」とはいうものの、膝上で使うには大きすぎる印象もある。バッテリー駆動にも対応しない。
その隣にケースに入れられて展示されているのが、1989年6月に発売されたDynabook初号機「DynaBook J-3100 SS001」だ。その名の通り、J-3100シリーズの新モデルという位置付けだったが、J-3100GTと比べると非常にコンパクトで、フットプリント(設置面積)はA4用紙サイズにまで縮小している。
文字通りラップトップで使えるレベルだ。「世界初ノートPC」と名乗ったのも納得である。
その隣には、1993年に発売された「DynaBook EZ 486P」が展示されている。
名前の通り、Dynabook EZシリーズはPC初心者を意識したモデルだ。1992年に登場した初代機「Dynabook EZ」は世界で初めてアプリをプリインストール(初期導入済み)としたことでも注目を集めた。
DynaBook EZ 486Pは、DynaBook EZの流れを引き継いだモデルで、CPUにIntelの「486SX」を搭載してパワーアップした……のだが、より注目すべきポイントとして熱転写プリンタを内蔵していたことが挙げられる。本体にプリインストールされていたワープロアプリ(ジャストシステムの「一太郎dash」)の機能キーを印字したカードが付いているのも相まって、ワープロ専用機っぽい外観だった。
DynaBookから派生する形で、両手で持って使えるミニノートPC「Libretto(リブレット)」シリーズが誕生したのは1996年だ。
初代の「Libretto 20」は、6.1型TFTカラー液晶ディスプレイを採用し、Windows 95をプリインストールしている。当時のプレスリリースによると、重さは約840gだったという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.