Microsoftは4月25日(米国太平洋夏時間)、Windows 11 2024 Update(バージョン24H2)向けのプレビュー更新プログラム(KB5055627)を公開した。この更新には、Copilot+ PC(新しいAI PC)の要件を満たすPC向けの新機能が複数盛り込まれている。ただし、「段階的公開」とされているため、更新後すぐに使えるようになるとは限らない。
なお、「プレビュー更新プログラム」は、翌月のセキュリティ更新プログラムに含まれるセキュリティパッチ“以外の”更新を先行配信するもので、適用はオプション扱いとなる。
今回の更新で順次利用できるようになる、Copilot+ PC向け新機能は以下の通りだ。
「リコール(Recall)」は、ユーザーの操作を要所要所でスナップショット(スクリーンショット)として記録し、プロンプト(短い文章)を使って操作したファイルやアプリを探せる機能だ。今回の更新を適用すると、本機能を「プレビュー版」として利用できるようになる。
なお、リコールを利用するには、Copilot+ PCの要件を満たすことに加えてシステムストレージ(OSが起動するドライブ)に50GB以上の空き容量があることが求められる。また、システムストレージの空き容量が25GBを下回ると、機能が自動的に無効化されるので注意したい。
本機能の処理は全てCPU/SoCのNPUで処理される。データが外部に出ていくことはない。
Copilot+ PCの要件を満たすPCに本更新を適用して再起動すると、サインイン(ログイン)後にリコールの機能説明が出てくる場合がある。ここで「はい、保存します」をクリックすると、リコール機能の利用を開始できる(もちろん、後から有効化することも可能)「クリックして実行(Click to Do)」は、画面上に表示されている「文章」と「画像」を検出し、素早く選択したりコピーしたりできる機能だ。この機能は「Snipping Tool」の機能の1つとして実装されており、今回の更新によって「プレビュー版」として利用できるようになる。
Snapdragon Xシリーズを搭載するCopilot+ PCの場合、OSの表示言語を「英語」にした場合に限り、選択したテキストの「要約」「箇条書きリスト化」「リライト」も利用できる。この追加機能はIntel/AMDのCPU/SoCを搭載するCopilot+ PCにも後日実装される予定で、他言語への対応も進めるという。
クリックして実行は、以下のいずれかの方法で呼び出すことができる。
上記の処理は全てWindows 11に実装された小規模言語モデル「Phi Silica」を通してCPU/SoCのNPUで処理される。データが外部に出ていくことはない。
「クリックして実行」を実行した画面。白抜きされている部分をクリックすると、その内容に応じたアクションを選択可能で、そこから右クリックをすると次のアクションを起こせる。上部のテキストボックスを使ってテキスト検索を行うことも可能だOS標準のファイル検索機能「Windows Search」はどのWindows 11 PCでも利用可能だが、Copilot+ PCでは「セマンティックインデックスモデル」を使うことで正確なファイル名を覚えていなくても、簡単なキーワードから検索を行える。また、画像の検索時にローカル保存されているデータとクラウドストレージに保存しているデータを串刺し検索も可能だ(現時点では個人向け「OneDrive」のみ対応)。
従来、これらの機能はSnapdragon Xシリーズを搭載するCopilot+ PCでのみ利用できたが、今回の更新を適用することでIntel/AMDのCPU/SoCを搭載するCopilot+ PCでも使えるようになる。
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