2019年に始まった文部科学省の「GIGAスクール構想」だが、同構想で導入された学習用端末のリプレースが2024年度から始まっている。ただし、端末の導入時期の都合から、リプレースのピークは2025〜2026年度になるとされている。そのこともあり、PCメーカーやプラットフォーマーは教育関係者向けの展示会に積極的に出展し、自社の端末やプラットフォームをアピールしている。
2024年度から始まった学習用端末のリプレースは、GIGAスクール構想の“第2期”(いわゆる「Next GIGA(GIGA 2.0)」)に当たるが、第2期では校内のネットワーク環境の改善や校務のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進も重要なテーマに掲げられている。
このような流れを受けて、PC周辺機器メーカーは教育関係者に自社の周辺機器やソリューションをアピールする機会を増やしている。この記事では、 4月23日〜25日に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催された教育関係の展示会「EDIX 東京 2025」における主な展示を紹介したい。
PC周辺機器メーカーとして広く知られるバッファローは、ブースにおいて「ネットワークアセスメント」を強くアピールしていた。
先述の通り、Next GIGAでは校内のネットワーク環境の改善をテーマの1つとしている。そこで文部科学省が推奨しているのがネットワークアセスメント、つまり校内ネットワークの“調査”だ。
GIGAスクール構想により、義務教育課程における「児童/生徒への1人1台の学習用端末配備」は一通り完了した。一方で、学校のネットワーク環境が貧弱がゆえに、インターネット経由で利用するデジタル教材などを満足に使えないという問題が多発した。ゆえに、Next GIGAの実施に当たり、補助金を支給するなどしてネットワークアセスメントの実施を推進することになったのだ。
バッファローでは、このネットワークアセスメントを請け負うサービスを提供しており、既に多くの実績があるという。ネットワークアセスメントの実施には、補助金も支給されるため「スタンダードプラン」では実質的な負担は21万円(税別)で済むという。
その他、バッファローブースでは同社が得意とする無線LAN(Wi-Fi)アクセスポイントやスイッチングハブなどのネットワーク機器や、機器を遠隔管理できる「キキNavi」も紹介されていた。
同じくPC周辺機器メーカーとして有名なエレコムは、主に小学校低学年をターゲットに据えたタッチタイピング練習用製品「KEY PALETTOシリーズ」を中心に展示していた。
KEY PALETTOシリーズは元々、大人向けよりもコンパクトなキーボードからリリースされたが、現在では既存のキーボードに貼り付けるためのカラフルなシールも販売されている。ブースでは、higo氏が開発したタイピング練習ソフト「Typing Land」と組み合わせてデモ展示されていた。Typing Landは無料で利用でき、KEY PALETTOシリーズと組み合わせることで“正しい”タッチタイピングを短期間で習得できるという。
その他、不審者侵入対策用の監視カメラや無線LANアクセスポイントなども展示されていた。
その他、同社ブースには監視カメラやWi-Fiアクセスポイントなど、学校向けのハードウェアが一通り展示されていた。
リプレースを迎える小中学校の「学習用端末」 PCメーカー各社が「Next GIGA」向けPCを展示
「Next GIGA」で学習用端末はどう変わる? 「教育DX推進フォーラム」で見たPC/周辺機器メーカーの戦略
Next GIGAで何が変わる? 文科省が「学習用端末」の要件や補助スキームの変更などを行った理由【前編】
Next GIGAで学習用端末のOSシェアが大きく変わる? PCメーカーやプラットフォーマーの動き【後編】
パソコンは“優しく”使いましょう――レノボが小中学生向けに「PCの扱い方」動画を公開Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.