ここからは各種ベンチマークテストを通してLOQ 15IRX10(83JE00E8JP)の性能をチェックしていく。
今回は、Windowsの電力設定は「バランス」を選択した状態でテストを行っている。Windows Updateやドライバ/ソフトウェアの更新などは実施しているが、ほぼ購入後の「素の状態」での性能だと思ってくださって構わない。
また今回は比較用として、本機と同じGeForce RTX 5060 Laptop GPUを搭載する「ASUS TUF Gaming A16(2025)」と、1世代前の同一グレードGPU「GeForce RTX 4060 Laptop GPU」を搭載する「ASUS TUF Gaming A14(2024)」のスコアも掲載する。
3Dレンダリングを通してCPUの性能を確認する「CINEBENCH R23」の結果は以下の通りだ。
前世代のCPUとはいえ、レビュー機のCPUは最大動作クロックが高く、スレッド数も多い。ゆえに、競合のAMDの最新世代CPUを搭載するモデルと同等か上回るスコアを記録した。
ゲームも含め、普段のPC利用で全コアを100%まで使うシーンは少ない。しかし、購入候補のPCを比較した際にCPUが「旧世代」「前モデル」ということは、気にしないでいいだろう。
続けて、PCの総合ベンチマークテスト「PCMark 10」の総合スコアを見てみよう。
PCMark 10のテスト内容はブラウジングやドキュメント製作、簡単な画像編集やビデオ会議といった“普通のPC利用”を想定している。高性能なCPU/GPUを搭載していても、その性能をフルに発揮させるまでの負荷はかかりづらい。そのこともあり、結果はほぼ横並びだ。
一般的なビジネスノートPCやモバイルノートPCでは、スコアが5000〜6000台を記録することが多い。それよりスコアが高いのは、外部GPUによって動画の再生や画像の編集がいくらか快適に動作する点が評価されたことが大きい。
ゲーム以外の負荷の重い作業も行う予定があるのであれば、この結果を参考に「高性能なゲーミングノートPCを選ぶ」ことを検討するのも、ポジティブな考え方だ。
3Dグラフィックスベンチマークにおける定番「3DMark」で主要なテストを実行してみよう。今回は、DirectX 12をテストする「Time Spy」シリーズ、DirectX 11をテストする「Fire Strike」と、レイトレーシング性能をテストする「Port Royal」を実行し、パフォーマンスのチェックを行った。総合スコアは以下の通りだ。
同じ外部GPUを搭載するTUF Gaming A16と比べると、ほぼ同一のスコアとなっている。差があってもわずかだ。一方で、前世代の外部GPUを搭載するTUF Gaming A14との差は、やや大きめだ。
たったの“1世代”でも、これだけの性能差が出るとなれば、販売価格に驚くほどの差がない限りはGeForce RTX 50 Laptop GPUシリーズを搭載したモデルを買った方がいいだろう。
余談だが、比較に用いたTUF Gaming A16では、GPUのTGP(Total Graphics Power:ブースト時の最大消費電力)を115Wに設定している。これはGeForce RTX 5060 Laptop GPU搭載モデルとしてはかなり“高め”だ。言い方を変えると、同GPU搭載モデルの多くはこれよりもTGP(≒性能)を抑制していることになる。
Lenovo LOQ 15IRX10におけるTGPは非公開だが、3DMarkのスコアを見る限りはTUF Gaming A16に近い設定になっていると考えられる。GeForce RTX 5060 Laptop GPUの性能を余すことなく使える1台になっているといっていいだろう。
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