レノボ・ジャパンのゲーミングPCブランド「Lenovo LOQ(レノボ ロック)」から、2025年モデルが登場した。
同社のゲーミングPCには「Lenovo Legion(レノボ レギオン)」もあるが、LOQは一般コンシューマーPC「Idea」ブランドのゲーミングモデル「Idea Gaming」をルーツに持つ。Legionがミドルレンジ〜ハイエンドを担うのに対して、LOQはエントリー〜ミドルレンジを担うという“すみ分け”がなされている。
この7月に発売された15.6型ノートPC「Lenovo LOQ 15IRX10」は、NVIDIAの最新世代「GeForce RTX 50 Laptop GPUシリーズ」を搭載することでグラフィックス環境をより快適にしたことが特徴だ。直販限定のカスタマイズ(CTO)モデルの最小構成価格は15万5870円からと、新しいGPUを使ったゲーミングノートPCとしては手頃な価格も実現している。
今回、「Core i7-14700HX/GeForce RTX 5060 Laptop GPU」構成のLOQ 15IRX10を借用してレビューする機会を得た。モデル番号は「83JE00E8JP」だが、7月24日現在において本モデルは販売されていない。CTOモデルをほぼ同等構成(※1)にすると、標準直販価格は20万3060円となる。ゲーミングノートPCとしては、結構安い。
果たして実力はどうなのか、試していこう。
(※1)レビュー機はメモリが24GB(8GB+16GB)という構成だが、CTOモデルでは選べない。CTOモデルの場合、メモリは「16GB(8GB×2)」か「32GB(16GB×2)」の2択となる
各種テストをする前に、今回レビューするLOQ 15IRX10(83JE00E8JP)の仕様と外観をチェックしていこう。
CPUの「Core i7-14700HX」は、Core HXプロセッサ(第14世代)の上から2番目のモデルだ。世代的には1つ前とはなるものの、Pコア(パフォーマンス)コアは8基16スレッドで最大5.5GHz、Eコアは12基12スレッドで最大3.9GHz駆動と、ノートPCとしては一線級の高パフォーマンスであることには変わりない。
メインメモリはDDR5-4800規格で、本モデルの搭載容量は24GB(8GB+16GB)となる。ただし先の注釈で述べた通り、CTOモデルではこの構成を選択できず、16GB(8GB×2)か32GB(16GB×2)の2択だ。
ストレージは高速なPCI Express 4.0 x4接続のSSDで、本モデルでは1TBのモジュールを備えている。CTOモデルの場合は、容量を512GBか1TBから選択可能だ。
外部GPUはGeForce RTX 50 Laptop GPUシリーズで、本モデルでは先述の通り「GeForce RTX 5060 Laptop GPU」を備えている。グラフィックスメモリ容量は8GBで、最新世代のGPUなので超解像/フレーム生成技術である「DLSS(Deep Learning Super Sampling)」は最新バージョン(DLSS 4)を利用可能だ。
なお、CTOモデルでは下位モデルである「GeForce RTX 5050 Laptop GPU」も選択可能だ。
ディスプレイはフルHD(1920×1080ピクセル)解像度の15.6型液晶を搭載している。アンチグレア(非光沢)加工で、ゲーミングノートPCらしくリフレッシュレートは最大144Hzとなっている。sRGBカバー率も100%と、色再現性も良好だ。
外部接続端子は背面にUSB 3.2 Gen 1(USB 3.0/USB 5Gbps) Standard-A端子×2、HDMI出力端子、有線LAN(1000BASE-T)端子と電源端子を、右側面にUSB 3.2 Gen 2(USB 3.1/USB 10Gbps) Type-C端子、イヤフォン/マイクと端子とUSB 3.2 Gen 1 Standard-A端子を備えている。
本機を持ち出す頻度が少なく、デスクトップPCに近い使い方をするのであれば、同じく外付けHDDなど「持ち出さない周辺機器」は背面側に接続することで、PC回りのケーブルをスッキリと見せることが可能だ。
キーボードは日本語配列で、テンキーも備えている。キーとキーの間にフレームのあるアイソレーション式で、キーピッチも広めだ。IdeaPad Gamingシリーズの後継モデルということもあり、基本的には「IdeaPadのキーボード」だと考えればいい。ゲーミングモデルを含めて、IdeaPadシリーズを使ったことがある人なら、特に違和感なく使えるだろう。
キートップは、中央部にかけ緩やかに湾曲した形状となっている。キーを押し下げた時のフィット感もよく、RGBイルミネーション機能こそないものの、キーボードバックライトは備えている。トラックパッドも大型で、2本指や3本指でのジェスチャー操作も行いやすい。
外観はゲーミングモデルながらシンプルだ。天板に大きな「LOQ」のロゴこそ入っているものの、派手なイルミネーション機能などはない。
ボディーカラーは「ルナグレー」のみとなる。カラーリングには金属感があり、金属素材などは使われていないものの、安っぽさは全く感じない。
また、同社のノートPCでおなじみの、Webカメラやマイク部分がふくらんだ「コミュニケーションバー」は、LOQ 15IRX10でも採用されている。ディスプレイを閉じた状態から開く際の指のかかりもよくなり、外観のワンポイントとしての緩急だけでなく、使い勝手にも貢献している。
本機のACアダプターは、最大245W出力のものが付属する。さすがに出力が出力なので、サイズは大きい。
CTOモデルの場合、よりコンパクトな最大170W出力のACアダプターも選択できる。ただ、CPUや外部GPUのパフォーマンスを重視する場合は、245W出力をお勧めする。
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