外観チェックはこれくらいにして、テスト用に余っていたNVMeストレージを装着し、初期セットアップから気になる機能をいくつか試してみた。本記事では特に気になった点をピックアップして紹介するので、購入を検討する際の参考になれば幸いだ。
最近のNAS製品の流行か、セットアップはiOSまたはAndroidのUnifyDriveアプリを使って行う。PCでもブラウザ経由でセットアップできるが、DHCPで割り当てられたIPアドレスをルーターなどで確認する必要があるため、スマホからセットアップするのが無難だ。
UnifyDrive UT2の初期セットアップを進めていくと、ストレージプール(データ保存領域)の作成画面が表示される。NVMe SSDを2枚搭載できるので、RAID 1かJBOD、またはRAID 0が選べるものと思っていたのだが、UDRという見慣れないモードが用意されている。
UDRとは、UnifyDrive Dynamic RAIDの略で、UnifyDrive UT2の設定画面で特定のフォルダーを指定すると、そのフォルダーの中身だけを両方のNVMe SSDに書き込んで冗長性を確保するというモードだ。
セットアップ完了後、重要なファイルを保存しているフォルダーを指定することで、もう一方のNVMe SSDにデータを同期できるようになる。ただ、RAID 1と違ってリアルタイムでデータが同期されるわけではなく、最短で2時間に1回、最長で7日ごとに同期するのでその点は注意が必要だ。
しかし、比較的安価な大容量HDDではなく、容量当たりの単価がまだまだ高いNVMeをNASとして利用する場合には、UDRは良い選択肢となり得る。
RAID 1で構成すると、利用できるストレージ領域は搭載されているNVMe SSDの合計容量の半分しか利用できないという大きなデメリットが存在する。
1TBのNVMe SSDを2枚搭載しても、利用できるストレージ領域は1TBだけになってしまうため、効率的な利用にはあまり向かない。
その分、ほぼリアルタイムで同じデータをそれぞれのNVMeに書き込むため、冗長性の観点では大きなメリットが得られるのだが、やはりコンシューマーユーザーにとっては少し手を出しにくいのも正直なところだ。
その点、UDRであれば重要なファイルのみを二重で保存するので、UnifyDrive UT2で利用できるストレージ領域は2枚のNVMe SSDを合算して利用できる。つまり、より効率的な利用が可能となる。
ストレージプールのRAID構成はどちらも一長一短なので、保存するデータの重要度や、予算と相談しながら自分に最適なモードを選択してみてほしい。
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