バッテリー搭載の“ポータブルNAS”「UnifyDrive UT2」は誰におすすめできる製品か? 性能テストで見えてきた答え(4/4 ページ)

» 2025年08月08日 12時10分 公開
[Yukito KATOITmedia]
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本体だけで各種メモリカードをバックアップできて便利

 UnifyDrive UT2の外観チェックの際に、SDメモリカードスロットとCFexpressカードスロットが用意されていると紹介したが、このスロットを使った非常に便利な機能が用意されている。それが「プラグアンドバックアップ」機能だ。

photo UnifyDrive UT2に接続したSD/CFexpressメモリーカードの中身をPCやスマホなしでバックアップできる

 この機能を使えば、UnifyDrive UT2にSD/CFexpressメモリーカードを差し込み、本体側面に用意されているバックアップボタンを2回連続で押すと、5秒後にSDメモリカードまたはCFexpressメモリカードの中身をUnifyDrive UT2にバックアップするという、カメラを趣味や仕事にしている方にとっては非常に便利な使い方が可能になる。

 バックアップの進行状況をスマホで確認できるが、スマホがなくともバックアップが完了すると3回ビープ音が鳴るので、本当の意味でPCやスマホなしでバックアップ取得が可能だ。

photo 接続したSD/CFexpressメモリーカードの容量制限や、バックアップ手法、バックアップ後のカードフォーマットなど細かなルール設定が可能だ。

 このプラグアンドバックアップ機能が思いの外に優秀で、「あらかじめ接続されたSD/CFexpressメモリーカードの容量が指定した容量より小さい場合のみバックアップを許可する」「毎回フルバックアップする」「2回目以降は新しく作成されたファイルだけをバックアップする」といった指定が可能だ。

 このSD/CFexpressメモリーカードの中身をPCやスマホなしでバックアップするのは、読者の方が思っているより複雑で、仮にDIYで実装する場合は考慮すべき点が非常に多くその上、複雑だ。写真撮影を趣味にしている方や、Vlogを撮影されている方にぜひオススメしたい。

最後にUnifyDrive UT2のパフォーマンスをチェック!

 ここまでは筆者が主に気になった機能について触れてきたが、UnifyDrive UT2はNAS製品なので、もちろんのことながらネットワーク経由でファイルの読み書きもできる。

 最後にUnifyDrive UT2をNASとして利用した場合、どれほどのパフォーマンスを発揮するのか、ストレージや共有フォルダーへのアクセス速度を計測する定番ベンチマークアプリ「CrystalDiskMark」を利用して、それぞれ読み出し速度と書き込み速度を測定してみた。

 なお、今回のテストではPC側は10GbE環境を用意し、接続先のネットワークスイッチは10GbE/5GbE/2.5GbE対応のマルチギガ環境で計測している。結果は以下の通りだ。

64GiB(読み込み)

  • SEQ1M Q8T1:毎秒214.49MB
  • SEQ1M Q1T1:毎秒110.05MB
  • RND4K Q32T1毎秒1.62MB
  • RND4K Q1T1:毎秒1.27MB

64GiB(書き込み)

  • SEQ1M Q8T1:毎秒161.92MB
  • SEQ1M Q1T1:毎秒112.39MB
  • RND4K Q32T1毎秒1.60MB
  • RND4K Q1T1:毎秒1.28MB

 こうして結果を見てみると、シーケンシャルリードアクセスにおいては約1.7Gbps、シーケンシャルライトアクセスにおいては約1.3Gbpsほどのスピードが出ていることが分かる。

 理論値は2.5Gbpsなので、理論値と比べるといささか速度不足も否めないが、読み書きともに1Gbps以上の速度は出ているので、小型のポータブルNASとして考えれば十分だろう。

 とはいえ、どれだけ早いNVMe SSDを搭載したとしても、ネットワーク経由でのアクセスであれば毎秒312.5MBが理論値上限となる。搭載するNVMe SSDは比較的安価なモデルを選ぶ事をオススメしたい。

ポータブルNASという観点では面白く、写真撮影やVlog撮影している方にはオススメの一品

 UnifyDrive UT2について、外観や使い勝手などを紹介してきたが、ポータブルNASという新しい方向性のガジェットとしては非常に着眼点が面白い。

 バッテリーを搭載して30分間は安全に利用できるという点も、このボディーサイズで実現できるのはNVMe SSD専用機ならではの特徴といえる。

 ちなみに、Makuakeにて行われた先行販売では早割込みで5万7350円から7万6130円というレンジで販売された。今後予定される一般販売では、これらを上回る価格になる。

 PCやノートPCのみで利用する分には、有線LANポートが2.5GbE止まりであることもあって少々割高に感じるが、スマホのバックアップや、デジカメ/アクションカムで撮影したデータを出先で安全にバックアップする用途として見れば、非常に有用だ。

 筆者個人としてもSD/CFexpressカードの中身をPCやスマホなしでバックアップできる点は非常に高く評価しており、利用スタイルが合致すると途端に化けるガジェットといえるだろう。

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