以上ざっと見てきたが、かつての液晶一体型PCのコンセプトを、近年のトレンドに合わせて再構築したかのような製品だ。直接的な比較対象がないだけに価格はピンと来ないが、一般的な13型前後のタブレットには10万円オーバーの製品も少なくないことを考えると、実売6万円台、セールでは5万円台という価格は、十分にリーズナブルな印象だ。
実際、タブレットを所有していても、外出先に持ち歩く機会は皆無という人は少なくないはずで、そういった人に本製品がフィットする可能性は高い。むしろタブレットの延長ではなく、動画配信サービス対応のTVにアプリをインストールできる汎用(はんよう)性を持たせた多機能製品と考えた方が、本製品の特性を把握しやすいかもしれない。
その一方、導入をためらう要素はところどころにある。プレスリリースにはカナ遣いがバグったかのような日本語の紹介文が掲載されている他、製品の紹介文でも「通勤・通学の電車内で片手に持ってニュースをチェック」「鞄に入れて保護も万全」と、およそ運用が難しいアピールが並ぶ。サイズ違いの他モデルと紹介文を兼用しているわけでもなく、「どこまで本気なの?」と突っ込んでしまいたくなるほどだ。
こちらはAmazonの製品ページ。「片手で持ちながらニュースを読んだり」といった、実際の運用ではあり得ない使い方に加え、マニュアルでは言及のない「VESA規格の壁掛けブラケット」の存在が示唆されていたりする。ちなみに、パネルタイプはIPSとあるがマニュアルではVAだったり、カメラの画素数も違っていたりと首をかしげる箇所が気になるいずれにせよ、リーズナブルでそこそこ使える製品でありながら、製品ページなどで機能や性能を全体的に盛り過ぎていたり、必要と考えられる注釈がなかったり、スペックに不正確な箇所があったりと、ユーザーに怪しい製品との印象を与えかねない部分があるのはもったいない。日本専用の窓口があるのは頼もしいが、製品ページなどでのユーザーに不信感を抱かせない正確な説明こそが、日本国内の展開にあたってはより求められていると言えそうだ。
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