夏休みに併せて、2025年もPC各社が「親子パソコン組立教室」を開催している。その中で、異彩を放っているのがマウスコンピューターだ。
2024年も1日で60組とそれなりの規模だったが、何と2025年は8月14日と15日の2日間にわたって計90組の参加者を募集し、さらに初日は希望者に地元の花火大会である「千曲川河畔納涼花火大会」の観覧席も用意するという力の入れ具合だ。
ここまで組み立て教室に注力する理由を、同社の代表取締役社長 軣秀樹さんに聞いた。
軣さんは「これまでは、この親子組み立て教室を7月末に開催をしていましたが、2025年は飯山市との連携をより深め、飯山市の魅力を参加されるみなさんに感じていただきたく、8月14日に飯山市で開催される千曲川河畔納涼花火大会の日程に合わせて開催しました。このイベントでは、パソコンを、そして『ものづくり』の楽しさを親子でもっと知っていただきたいと願っています」と趣旨を説明した。
初の試みとなる花火大会日での開催については、「昨今の花火大会では、観覧席を確保することが困難なニュースを耳にします。今回の花火大会の規模は小さいですが、約2000発の迫力ある花火を間近で楽しんでいただけます。親子組み立て教室と併せて、夏休みの家族との思い出になっていただけると期待しています」と力を込めた。
実際、組み立て教室に参加した中で、花火大会の観覧希望者には“特等席”となる有料シートを確保してアテンドするだけでなく、遠方からの来訪者には宿泊施設も手配するという力の入れようだ。
これには、軣さんの「ものづくり」に関する強いこだわりが背景にある。
2024年6月に、前任の小松永門さんから代表取締役社長を受け継いだ軣さん。それまで、開発や製造、品質管理/アフターサービスといった技術畑を歩んできた軣さんだが、「ものづくりの楽しさをお客さまや従業員、何より若い人たちに知ってもらいたい」という思いがある。
2021年7月に「キッザニア甲子園」、2024年6月には「キッザニア東京」でも「パソコン工場」パビリオンを出展し、多くの子どもたちにものづくりのきっかけとなる場を提供している。
2023年に包括的な連携協定を行った北海道木古内町でも、中学生向けのパソコン組み立て体験を行ったり、小中学生を対象にしたプログラミングコンテストを支援したりしている。「小さい頃の体験が将来の選択肢に大きく影響すると考えていて、将来的には住んでいる場所に依存しない形で、移動型の組み立て教室も開催したいと思っています」と軣さんは語る。
このような動きは、従来取り組んでいるeスポーツへの協賛や、大阪・関西万博のシグネチャーパビリオンへの協賛といった形で広がりを見せており、軣さんのカラーが染み出ている部分でもある。
8月14日の組み立て教室では、冒頭に軣さんが「本日組み立てるパソコンは、みなさんが選んだ世界に1つだけのパソコンになります。私も開発の仕事を長年やっていましたが、何もないところから形にする、あるいは1つ1つの部品を組み立てて動くようにするという楽しみを、小さい頃から体験いただきたいなと思っています」とあいさつをした。
それを受けて、飯山市副市長の伊東ゆかりさんは「一番遠方から来た方は岡山県とのことで、ようこそ飯山市にいらっしゃいました。この飯山市は夏は千曲川を下ってくるラフティングやカヌー、冬はスキーと、年間を通じてさまざまなアクテビィティーが可能です。電車の中に自転車を載せることができるサイクルトレインも運行しています」とアピールした。
オープニングのセレモニーが終了すると、組み立て教室に参加した26組の家族は2つのグループに分かれて工場に散っていった。
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