ASUS JAPANが3月に発売した「ASUS ExpertCenter P500 Mini Tower」は、モバイル向けの第13世代Coreプロセッサを搭載したビジネス向けミニタワーPCだ。
ミニタワーでありながら、ハイエンドノートPCやミニPCに搭載されているモバイル向けのプロセッサを搭載するという、一風変わったPCともいえる。本記事では実機テストを通じて、その実力を解き明かしてみよう。
本体の前面下部には、SDメモリーカードリーダーとスマートカードリーダーが標準で搭載されている。
個人向けのPCでは、ほぼ見かけることがないスマートカードリーダーだが、企業や官公庁ではよく利用されている。WindowsのログインなどにID、パスワード認証ではなく、スマートカードでログインする方法をとっている企業、組織は、別途スマートカードリーダーを購入しなくても済むことになる。
筆者も過去にスマートカードを使ったPCログインを利用している環境の保守経験があるが、USB接続の外付けスマートカードリーダーはUSBケーブルの取り扱いが難しく、「今朝、出勤した際にログインできなくなった」「突然、画面ロックがかかってしまってPCが使えなくなった」という問い合わせを多く受けた経験がある。
スマートカードを活用している組織にとっては、スマートカードリーダーがPC本体に内蔵されていると非常にありがたいはずだ。
SDXCまでサポートしているSDメモリーカードリーダーは、現場の状況を撮影したデジカメのデータをわざわざUSBケーブルでつないで取り込む必要もないため、写真撮影を多用する業務にもぴったりだ。
前面の中央付近には、3.5mmマイクロフォン/ヘッドフォンコンボジャックが1基、最大5Gbpsに対応したUSB 3.2 Gen1 Standard-Aポートが2基、同じく最大5Gbpsに対応したUSB 3.2 Gen1 Type-Cポートが1基搭載されている。
最新のUSB4やUSB 3.2 Gen2などの高速なインタフェースは搭載されていないが、業務で利用するなら大きな問題はないだろう。
前面上部には、2層ディスクに対応したスリム型のDVDスーパーマルチドライブが搭載されている。個人ユースではめっきり見なくなった光学ドライブだが、ビジネスシーンにおいては、CDやDVDといった光学メディアはまだまだ現役で、納品物に指定されることもある。
納品物作成の際に外付けのドライブを用意しなくても済むので、備品管理の観点と従業員の利便性の観点からも、標準仕様としてDVDスーパーマルチドライブが搭載されている点は、日本のビジネスシーンにしっかりとマッチしそうだ。
背面には映像出力としてHDMI 1.4ポートとDisplayPort 1.4ポートがそれぞれ1基ずつ搭載されている。さらにUSB2.0ポートが4基、1000BASE-T対応の有線LANポートが1基、ラインインとラインアウト、マイク入力端子がそれぞれ1基ずつ搭載されている。
背面のUSBポートは全てUSB 2.0ポートなので、読み書きのスピードが求められる外付けHDDのような外部ストレージの接続には適さないが、マウスやキーボードなどの周辺機器を接続するために利用すれば問題ない。特にワイヤレスマウスやキーボードのレシーバーはUSB 3.0ポートに接続するとノイズによってチャタリングなどが発生する場合もあるため、むしろUSB 2.0ポートが搭載されている点は、意外とうれしいポイントだったりする。
有線LANポートが備わっているとはいえ、ワイヤレス機能としてWi-Fi 6/Bluetooth 5.4にも対応しているため、オフィスで設置場所に縛られることもない。
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