続いて、ASUS ExpertCenter P500 Mini Towerに搭載されているCore i7-13620HとIntel UHD Graphics(CPU内蔵)のパフォーマンスをベンチマークテストを通してチェックしていこう。
まずは、3DレンダリングによってCPUの性能をテストする「CINEBENCH R23」を実行し、ASUS ExpertCenter P500 Mini Towerの実力を測ってみた。結果は以下の通りだ。また、今回ベンチマークテストの比較対象として、Core i7-12650Hの測定結果と比較しているので、参考になれば幸いだ。
Core i7-13620Hは比較対象のCore i7-12650Hと比べて、Pコア(性能重視のコア)とEコア(効率重視のコア)のコア数とスレッド数の差がないにもかかわらず、マルチコアスコアは約53%、シングルコアスコアが約7%ほど高いスコアを示している。
両モデルとも効率重視のコアであるEコアの構成に大きな変化は見られないものの、性能重視のPコアのアーキテクチャが刷新されて、IPC(1クロック当たりの処理能力)の向上と、対応メモリの高速化によって大きく性能が向上している。
Core i7-12650H、Core i7-13620Hともに消費電力の差が無いため、ワットパフォーマンスも向上していることから、Core i7-13620Hを搭載したASUS ExpertCenter P500 Mini TowerはROI(投資利益率)が高い製品といえる。
続いて、さまざまなアプリケーションを実行して総合的なパフォーマンスを測定できる「PCMark 10」を実行し、Core i7-13620HとIntel UHDグラフィックスの普段使いのシナリオでの総合的な実力を試してみた。結果は以下の通りだ。
Webブラウジングやビデオ会議、アプリ起動時間などから一般的なPCなどで利用時のパフォーマンスを測定するEssentialsテストはCore i7-12650比で約114%、グラフィックス性能に依存する一般的なオフィス作業や、簡単なメディアコンテンツ制作時のパフォーマンスを計測するProductivityテストは約111%、写真編集やビデオ編集、3Dレンダリングなど、よりグラフィックス性能に依存するDigital Content Creationテストは約132%と、CINEBENCH R23と比べると大きな差は開かなかったものの、各項目において確実な性能向上が見受けられる。
やはりPコアのアーキテクチャ刷新とメモリ周波数の高速化が大きくパフォーマンス向上に貢献しており、オフィスワークにおいては困ることはまずないだろう。
今回手元に用意したモデルは最上位モデルだったが、ベースモデルも同じ第13世代のCore i5-13420Hを採用しており、こちらもPコアのアーキテクチャ刷新とメモリ周波数の高速化が施されているため、ビジネスPC購入の予算的に最上位、上位モデルが選定できなかったとしても、ビジネス用途においては必要十分なパフォーマンスを発揮してくれるだろう。
| CPU | Intel Core i7-12650H |
|---|---|
| メモリ | DDR4-3200 32GB |
| ストレージ | KINGSTON OM8PGP5412Q-A0(NVMe 512GB) |
| 内蔵グラフィックス | Intel UHD Graphics(CPU内蔵) |
外観チェックとパフォーマンスチェックを通して、ASUS ExpertCenter P500 Mini Towerの詳細を掘り下げてみたが、第12世代から刷新されたアーキテクチャと、メモリ周波数の高速化により、思っている以上のパフォーマンス増加が見て取れた。
さらには、ユーザー自身でメモリの増設やストレージの増設、さらにはPCI Expressに対応した拡張カードを追加できることから、購入した後のビジネス要件が変わったとしても、PCを丸ごと買い換える必要が無い点も魅力的だ。
ワットパフォーマンスが前世代と比べて確実に向上していること、IT資産としての長寿化が図れることから、ASUS ExpertCenter P500 Mini Towerは今後Windows 10のサポート終了に伴うリプレースの候補としては、有力な候補のうちの1つになるのではないだろうか。
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