島根富士通でファンレスノートPC「FMV Note C」を作った! 夏休み恒例の組み立て教室に全国から21組が参加 写真&動画レポート(2/3 ページ)

» 2025年08月26日 11時45分 公開
[山口恵祐ITmedia]

組み立て教室の様子

 今回のイベントに参加した子供たちは、まさにそのFMV Note C(FMV WC1-K1)を組み立てることになる。同モデルは1月のFMVのブランドリニューアルを象徴する注目モデルで、20代を中心としたZ世代の若手社員が開発をリードしたフレッシュな製品だ。大学生などの若者がPCに求めるデザインや機能をコンセプトに落とし込んで具現化している。

 主なスペックはプロセッサにIntel Core Ultra 5(134U、12コア14スレッド)、メモリは16GB、ストレージは256GB SSDとなっており、価格はイベント参加費用と送料、1年保証付きで13万4800円となっている。1万5000円の増額となるがMicrosoft Officeも付けられる。カラーは事前にミストグリーン/エクルベージュ/スモークグレーの3色から選べた。参加者が組み立てたPCは製造現場であらためて検査された後、後日配送となる。

photo FMVのブランドリニューアルを象徴する「FMV Note C」

 このスペックと同じ製品を直販サイトで購入しようとすると17万円を超えるぐらいの価格感だ。組み立て教室に参加すると安く購入できるとはいえ、県内近郊に住んでいるならともかく東名阪から向かうとなると交通費が掛かってしまうのでトントン、もしくは足が出るだろう。

 とはいえ子供と夏休みの思い出が作れる、しかも珍しいノートPCの組み立て体験となれば話は別だ。実際に参加者は島根県在住の人だけでなく、東京や大阪、神奈川、広島、山口、兵庫、愛知から訪れている人もいた。

 イベントの冒頭にあいさつした島根富士通の宮下浩之社長は「未来ある皆さんに、ものづくりの大切さ、技術の素晴らしさを体験してもらうことで、未来の希望や夢、新たなキッカケになればうれしい」と参加者にエールを送った。

photo 島根富士通の宮下浩之社長

 組み立て教室では、普段工場内で働いている従業員が、1組につき1人付き添って組み立てをサポートした。本来であればノートPC(FMV Note C)の組み立てにおいて必要な部品点数は232点、組み立て時間はわずか13分だというが、組み立て教室では部品点数を主要な32点まで厳選し、90分の組み立て時間での体験となる。

32点の部品組み立てを90分で体験!

 参加者が座る作業机にはあらかじめオリジナルのエプロンや手袋、大人用のドライバーと子供用のドライバー、静電気防止のアースバンド、ネジや小さな取り付け部品、作業工程を確認するタブレットなどが置かれていた。

photo 参加者が座る作業台
photo 会場の雰囲気。参加者1組につき1人の従業員がつくので安心できる
photo アースバンドを装着する
photo 参加者がいる部屋には、必要な部品が格納された箱が、石見神楽をモチーフに装飾されたAGV(無人搬送車)によって届けられた
photo 従業員から部品の入った箱を受け取る参加者
photo 箱の中には各パーツが整理整頓されて入っている。番号が割り振られているので、工程で迷うことはない

 液晶ディスプレイや平たいフレキシブルケーブルなど、一部装着が難しい部品もあったが、担当の従業員がサポートしてくれるので行き詰まってしまったような参加者はおらず、みんな安心して体験できた。

photo 部品を固定するねじはあらかじめテーブルに置かれていた。こちらも非常に分かりやすくなっている
photo 組み立て作業前には、ちょっとしたねじ締めの練習も行った
photo 会場のディスプレイに映し出される説明は、手元のタブレットにも表示されていた
photo まずは既に取り付けられたメインボードのねじ締めから
photo 続いてヒートシンクを取り付ける
photo CPUにグリスを塗る工程もある
photo 薄型のバッテリーも取り付けて……
photo ディスプレイのヒンジを固定する
photo ノートPCっぽくなってきた
photo ディスプレイのコネクターを2つ接続する
photo キーボードとタッチパッドを取り付ける
photo キーボードは手前から奥に「カチッ」と音が鳴るまで押し込んで固定する
photo ほぼ完成間近!
photo 底面のねじを締める。底面を見るといかにFMV Note Cがデザインにこだわっているかをうかがい知れる
photo USB Type-Cの電源ケーブルを差し込む
photo 電源を入れると、参加者が受付時に撮影した記念写真がデスクトップの壁紙として表示されるという粋な演出もあった

 FMV Note Cはファンレス設計なので、中身は意外とシンプルに見える。ボディーは切削加工によるアルミ素材を採用しており、継ぎ目の少ない美しいデザインをじかに感じられた。

 自作PCならまだしも、ノートPCの中身を見る、しかも自分で部品を触って組み立てる機会はそうそうないだろう。参加者を楽しませるような創意工夫も各所に見られ、多くの参加者が製造拠点まで足を運んで体験したかいを感じられるようなイベントになっていた。

 また、必要な部品が効率的に収納された箱や体験の工程などが洗練されており、効率化を突き詰める工場ならではの意地を見せられたような気がした。

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