Steam Deckで「GeForce NOW」を始める方法 思った以上に快適だが課題も(3/3 ページ)

» 2025年09月03日 16時30分 公開
[井上翔ITmedia]
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Steam DeckでGeForce NOWを起動する

 インストール完了後、デスクトップモードにあるショートカットをタップするとゲーミングモードに戻る。すると、インストール前はなかった「GeForce NOW」が表示される……と思いきや、インストール直後はトップ画面に出てこない。以下の手順で実行しよう。

  1. Steamボタンを押す
  2. 「ライブラリ」を選択
  3. 非STEAM」のタブを選択
  4. 「GeForce NOW」を選択
  5. プレイ」を選択
ライブラリ Steamメニューから「ライブラリ」を選んで……
非Steam 「非STEAM」タブにある「GeForce NOW」を選んで……
プレイをタップ! プレイをタップすればGeForce NOWアプリが起動する

 初回起動時のプロセスは、他デバイス向けのGeForce NOWとおおむね同様だ。手元にNVIDIAアカウントにログイン済みのスマートフォンがあれば、表示される二次元コードを読み込むことでログインプロセスを簡略化できる。

初回起動時 初回起動時は、サービスに関する注意点などが表示されるので「同意/続行」を選択するとアプリに入れる
乗り込もう 初期画面の「乗り込もう」をタップすると、ログインプロセスを開始できる
ログイン ログインに成功すると、よく見るGeForce NOWのトップ画面に遷移する

「JR東日本トレインシミュレータ」は遊べるのか?

 GeForce NOWのセットアップは終わった。ここで気になるのが「JR東日本トレインシミュレータ」をプレイできるかどうかである。

 実はJR東日本トレインシミュレータは、最小要件として1920×1080ピクセル/60Hzのディスプレイを求めている。それに対して、Steam Deckシリーズのディスプレイは1280×720ピクセルと、解像度が足りていない。

 結論からいうと、公式サポートはないがプレイ可能だ。クラウドサーバの画面に遷移する際に起動に関するエラーが表示されることもあるが、その表示が出た後に手動で「アップデート」→「プレイ」をタップすれば普通に起動する。

 GeForce NOW経由で本タイトルをプレイする場合、操作はキーボードまたはゲームコントローラーで行うことになる。Steam DeckについてはXboxコントローラーに準拠したパッドを一体化しているので、同コントローラーのアサイン通りにプレイできるので、問題ない。

 解像度が足りていないこともあり、一部の表示は少しつぶれたようになってしまうものの、プレイには支障ない。意外と楽しめる。

プレイ ゲームのページを開いて「プレイ」をタップすれば起動する。ただし、ストリーミングが始まった直後にサーバ側がエラーを出すことがあるので、その場合は画面内で起動操作を行おう
タイトル オープニング表示をスクリーンショットしたもの。ここでは著作権とOpenSSLのライセンス表示が若干つぶれてしまっている
実際にプレイ中 実際にプレイ中の画面。筆者が遊んでみた限り、問題はなかった

ネットワーク帯域が十分なら結構いい セットアップが大変なのが課題か

 筆者の一番の“もくろみ”だった、JR東日本トレインシミュレータは一応遊べて良かった。他のゲームもサッと遊んでみたが、1280×720ピクセル表示に対応する意外と多く、その場合は表示がつぶれることもなく、結構快適に遊べた。

 GeForce NOWは「CPUやGPUのパワーが不足する環境でもゲームを快適に遊べる」というのが売りだが、デバイスにインストールせずに遊べることも地味にメリットだったりする。最近はインストールするだけでストレージを数十GBも消費することもあるので、たくさんのゲームを遊ぶための手段としても有用だ。

Cyberpunk 2077 重量級タイトルの代表格である「Cyberpunk 2077」もSteam Deckにインストール可能だが、ストレージを大きく消費してしまう。GeForce NOW経由なら、ストレージの消費を気にする必要がない

 GeForce NOWは、サーバで実行されたゲームの画面をストリーミング動画としてクライアント機器に“配信”する。そのため、ネットワーク側もある程度の高速/低遅延が求められる。今回は自宅の光インターネット回線(10Gbps)とWi-Fi 7/6E対応のWi-Fiルーターに、Wi-Fi 6E対応のSteam Deck OLEDの組み合わせで使ったため、映像の乱れや遅延は感じられなかった。

 しかし、遅延が大きくなりやすいモバイル回線では、同様のプレイ体験を得ることは難しいかもしれない。タイミングが問われるゲームは、高速かつ低遅延の回線を用意して楽しみたい。

自宅で計測 自宅の光インターネット回線とWi-Fi 7/6Eルーターでは、GeForce NOWアプリ内で推奨環境よりも“良い”ネットワーク評価を得られた

 今回実際に試してみて、一番大変に思ったのはGeForce NOWアプリの導入だ。YouTubeにはチュートリアル動画が公開されているものの音声は英語のみなので、人によっては翻訳字幕表示が欠かせない。

 一方で、Steam Deck側の表示についても若干課題がある。初期設定時に日本語表示に設定しても、デスクトップモードは標準で米国英語(American English)表示となってしまうのだ。設定を変えればデスクトップモードの表示も日本語にできるのだが、「だったら初期設定で設定した言語と合わせてほしい」と感じてしまうこともある。

 そして、デスクトップモードでないとアプリをインストールできないというのも、ちょっと分かりづらい。利用するであろうユーザー層を考えれば“大したことない”ことも事実なのだが、ユーザーの裾野を広げるにはSteamOSへのプリインストール、あるいはもっと簡単なインストール導線が必要だと考える。

 ともあれ、筆者としてはSteam DeckにGeForce NOWの組み合わせは思った以上に“アリ”だと思った。ネットワークの問題はあるものの、外出時はSteam Deck OLEDを持ち出して列車の運転にいそしもうと思う。

良かった Steam DeckでやるJR東日本トレインシミュレータ(GeForce NOW経由、未サポート)は思ったよりも快適だった

機材協力:エヌビディア合同会社

JR東日本トレインシミュレータ:©East Japan Railway Company / Hokkaido Railway Company / ONGAKUKAN Co., Ltd. All Rights Reserved.

Cyberpunk 2077:©CD PROJEKT S.A. All rights reserved.


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