「MX MASTER 4」登場! 3年ぶりにフラッグシップモデルを刷新したロジクールマウスのファーストインプレッション(1/3 ページ)

» 2025年09月30日 16時01分 公開
[瓜生聖ITmedia]

 9月30日、ロジクールが3年ぶりの新モデル「MX MASTER 4」を発表した。PC用マウスの最高峰とも称される同社の「Master」シリーズの新型だけに期待が高まる。発売は10月30日の予定で、ロジクールストアでの販売価格は2万1890円と、MX MASTER初の2万超えモデルとなった。

ロジクール MX MASTER 4 マウス ハイエンド クリエイター Action Ring レシーバー 6年ぶりの新ナンバリング製品となる「MX MASTER 4」のパッケージ(グラファイト/MX2400GR)

 2022年発売の前モデル「MX MASTER 3S」は、さらにその前のモデル「MX MASTER 3」からセンサー精度向上と静音クリック化などの小幅な改良にとどまったが、今回のMX MASTER 4では触覚フィードバック(ハプティック)機能や「Actions Ring」のサポートなど、大きな進化が図られている。

ロジクール MX MASTER 4 マウス ハイエンド クリエイター Action Ring レシーバー MX MASTERシリーズの変遷

 本稿ではエンジニアやクリエイター、ビジネスエグゼクティブなど、生産性を追求するハイエンドユーザーに向けて設計された非ゲーミングマウスの基本性能の完成度と、現時点で検証可能な機能をファーストインプレッションとしてお届けする。

フラッグシップラインの「Master」シリーズとは?

 ロジクールのMasterシリーズは、同社のマウス/キーボード製品の中で最上位に位置付けられるフラッグシップラインだ。同シリーズの製品名には「MX」が冠され、最新テクノロジーが惜しみなく投入された高品質/高性能モデルがそろっている。

 マウスではMX MASTERシリーズに加え、携帯もできる「MX Anywhere」、エルゴノミクスデザインの「MX Vertical」などが展開され、キーボードでは「MX Keys」や「MX Mechanical」といったモデルが存在する。

 2015年の初代「MX MASTER」発売以来、「2S」(2017年)、大幅刷新となった「3」(2019年)、静音スイッチ採用のマイナーアップデート版「3S」(2022年)を経て、満を持して登場したのが、このMX MASTER 4だ。

 一般的なゲーミングデバイスとは一線を画し、「最高のワークフローを実現する」ことを目的に設計されており、高負荷なクリエイティブ作業やビジネス用途で生産性と快適性を極限まで追求するプロユーザー層が主なターゲットとなっている。

ロジクール MX MASTER 4 マウス ハイエンド クリエイター Action Ring レシーバー MX4にはペイルグレーモデル(MX2400PG)もある。写真は展示用のスケルトンだ

見た目の変化はわずかだが……

 MX MASTER 4の外観は、一見すると前モデルのMX MASTER 3Sとよく似た右手専用エルゴノミクスデザインだ。手のひら全体で包み込むような大きめのサイズと曲線形状はそのままに、細部がブラッシュアップされ、さらに握りやすく感じられる。

 これは同社のサーマル分析を用いた快適性の追求、および素材の見直しによるものだろう。また、リサイクルを容易にするため塗装を排し、シリコン利用を限定したことによる表面加工の進化も大きい。手のひらが触れる上面にはマイクロドット状のテクスチャー加工によって滑りを防ぎつつ、長時間利用でも蒸れにくいようになっている。

 唯一シリコンが使用されている側面のグリップ部分は高耐久素材が使用されており、しっとりとした触感で指に吸い付くようにフィットする。ボタンのエッジには透明パーツでアクセントを加えつつ、指先の当たりを柔らかくする工夫がなされている。

ロジクール MX MASTER 4 マウス ハイエンド クリエイター Action Ring レシーバー MX MASTER 3Sのペイルグレー。かなり白に近いグレーだ
ロジクール MX MASTER 4 マウス ハイエンド クリエイター Action Ring レシーバー パッケージや本体には環境を重視した素材が採用されている

 カラーは前モデルを踏襲したダークグレー系のグラファイトが基調で、シックで業務用途にも違和感のない落ち着いた印象だ。

 ボタン配置は基本的に前モデルを踏襲しているが、ボタン個数は1つ増えている。上面には左右クリックと中央のスクロールホイール、その後方にモード切り替えボタンという標準的なレイアウトだが、左側面には親指操作用のサムホイール(水平スクロール用ホイール)と進む/戻るボタンが並び、さらにその奥にジェスチャーボタンが配置されている。

 前モデルのサムレスト部分のジェスチャーボタンのあたりには、新たに触覚フィードバックセンスパネルが搭載された。

ロジクール MX MASTER 4 マウス ハイエンド クリエイター Action Ring レシーバー 基本的なデザインはMX MASTER 3Sを踏襲したエルゴ形状だ。左右ボタンが大きくなり、周囲に透明なエッジが付けられている

 底面を見るとトラッキング用センサーと電源スイッチ、それにデバイス接続切替ボタン(Easy-Switch)が配置されている。MX MASTERでは初のLogi Bolt対応となり、Bluetoothと合わせて3台までペアリングして底面のボタンなどで切り替えが可能だ。

 Bluetoothが搭載されていないデスクトップPCにはLogi Bolt、ノートPCやタブレットではBluetoothというように、接続方法を意識することなくデバイスを切り替えられる。付属のUSB Type-Cレシーバーは、従来のUSB Standard-A対応レシーバーと同様、最大6台までのデバイスを1つのレシーバーにペアリング、同時3台に接続できる。

 ロジクールによると、MX MASTER 3Sに比べ2倍の通信強度を実現しているというので、確かに通信の安定性も良好だ。

ロジクール MX MASTER 4 マウス ハイエンド クリエイター Action Ring レシーバー 正面から見るとサムホイールが高い位置に移動し、本体縁と一体化したデザインに変更されていることが分かる
ロジクール MX MASTER 4 マウス ハイエンド クリエイター Action Ring レシーバー ボタン部の透明エッジとは逆に、手前側のエッジの縁取りはなくなった
ロジクール MX MASTER 4 マウス ハイエンド クリエイター Action Ring レシーバー サムレスト部分に、新開発の触覚フィードバックセンスパネルを搭載する。ジェスチャーボタンは進む/戻るボタンの奥に移動している
ロジクール MX MASTER 4 マウス ハイエンド クリエイター Action Ring レシーバー 右側面は、薬指が当たるところにグリップパターンが施されている
ロジクール MX MASTER 4 マウス ハイエンド クリエイター Action Ring レシーバー MX MASTER 4は塗装がなく、パーツによって異なる表面加工で触感やニュアンスを変えている
ロジクール MX MASTER 4 マウス ハイエンド クリエイター Action Ring レシーバー 発表会場にはテクスチャーのサンプルが数多く展示されていた
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