ではまとめていきましょう。
Kamvas Pro 24(Gen 3)は、近年どんどん仕様がリッチになっていくHUIONの液タブ上位機の1台です。タッチ対応で4Kの広色域ディスプレイや、描き味の面でほぼ不満のなくなった現行世代のペンを2本付属しているだけでなく、ディスプレイ付きの左手デバイス、専用のカラーキャリブレーターまでもが付属します。
ワコムのCintiq Proが40万円を越える時代、このようなプロ志向のスペックを盛り付けて19万9980円という価格は、かなりのリーズナブルさと言えます。
一方でドライバーアプリの機能性、左手デバイスの品質と完成度、タッチパネルの成熟度などは、まだ改善の余地があります。いずれもが描画体験の中心ではないため大きな問題はないものの、長く使いたい上位モデルとしては、このあたりの出来の良し悪しが細かく響いてくるものです。
廉価モデルならば文句ないとはいえ、このレベルのペンの描き味や本体の品質ならば、それに見合った出来の良さを求めたいです。
また、安くないはずの付属の専用カラーキャリブレーターも、プロ機っぽい盛り付けとしては目を引くものの、「本当に多くの人に必要か」「本当に必要な人にとって汎用のカラーキャリブレーターと比べて十分か」と言われると、疑問が残るところです。
自分の意見としては、このコストは左手デバイスの完成度を上げるのに使ってほしかった、というのが正直なところです。
惜しい点の文章が長くなってしまいましたが、「液タブとペン」という意味では上位機に恥じない出来になっています。出費を巨大にせずに、液タブでの創作に本気で取り組んだり、業務でがっつり使いたい人は、十分検討に値するモデルと言えるでしょう。
また、さらに大型で、しかも144Hzに対応した「Kamvas Pro 27(144Hz)」も発売されています。27型ぐらいの大型機は人を選ぶ面がありますが、高いリフレッシュレートに興味がある人はこちらもチェックしておくと良いでしょう。
……といったところで。いやー、ついにカラーキャリブレーターまでもが付属する時代がきてしまいました。
一方で最近の海外メーカーの廉価機は、十分に描き味の良いペンになり、フルラミネーションのアンチグレアガラスになり、程々の広色域対応になり、本体にボタンとダイヤルが搭載されていたりと、買いやすさや運用の楽さがそのままで上位モデルとの差が小さくなっています。
つまり、どれもが必要十分になってしまう中で、上位機は上に逃げなくてはいけないという、2024年に書いた「液タブの最終局面感」が、よりはっきり感じられるということです。
そんな中で、本当の上位モデルとは何をもって決まるのでしょうか。かっこいい左手デバイスやカラーキャリブレーターの付属がその役割を果たすのでしょうか。本機を触っていて、そういったことが改めて問われているような気がしています。
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