「Copilot+ PC」をめぐる“三大怪獣大決戦”を楽しんだ2024年に、液タブの“最終局面”をうかがう:ある日のペン・ボード・ガジェット(2/3 ページ)

» 2024年12月25日 13時00分 公開
[refeia,ITmedia]

じんわり忍び寄る液タブ最終局面感

 ここでいう「最終局面」というのは、分野の終わりという意味ではなく、成熟した分野になったということです。USB Type-C充電器などを思い返して想像してもらうと分かりやすいですが、GaNなどの技術が行き渡り、どのメーカーも小型で大出力が出せるようになって、大手は高級路線に進出し、買う側としても「これを買ったら、当分は新しいのが欲しくならなそうだな」という感覚になる、という感じの最終局面感です。

 実際に、XPPenやHUIONなどの海外メーカーは技術が成熟し、20万円前後の価格で堂々とした、出来の良い上位モデルを供給できるようになりました。2024年にレビューした「HUION Kamvas Pro 19」は、タッチ機能の熟成度に隙があるものの、ペン性能の面では満足できる出来でしたし、別の企画で触らせてもらったXPPenのモデルも「これは、ついに一線を越えてしまったか?」というシンプルな驚きが頭をよぎるような、問題のない出来でした。

HUIONの新型液タブ「HUION Kamvas Pro 19」 HUIONの新型液タブ「HUION Kamvas Pro 19」

動きが小さくて気になるワコム製品

 そこで気になるのが、ワコムの動向です。2024年の目立った新製品は、同社初の有機EL液タブ「Movink 13」ぐらいでした。

Movink 13は、板タブより薄くて軽い液タブです Movink 13は、板タブより薄くて軽い液タブです

 ワコムの現状の製品ラインアップは、ちょっと隙が大きいと思います。

  • めちゃくちゃ出来が良いけれど高級品すぎる新Cintiq Pro
  • 旧Cintiq Proは高価なまま古さが目立ち始め
  • スタンダードCintiqも古さが目立ち
  • Wacom Oneは新しくて良いものの、ペンがエントリー品質

 で、特に後者2つは、海外メーカーがモダンな仕様の新製品をどんどん出すことで隙を突かれやすくなっています。また、接続や設定などが煩雑なPCよりもiPadとApple Pencilを好む人も増えていく中で、対抗できる製品がありません。

ひっそり強靱(きょうじん)になっていたワコム

 これだけみると、ワコムは大丈夫なのか? と思う人もいるかもしれませんが、全然そんなことはありません。

 液タブやペンタブとしては競争環境が厳しい上に「ステイホーム特需」の反動による落ち込みも癒えませんが、Samsungの「Galaxy」といった他社製品のペン技術を担う「テクノロジーソリューション」事業がギャンギャンに伸びています。自社ブランド製品がどうあれ、裏方でもしっかり稼げる企業に、たった数年で変化しているわけです。

ワコムの決算資料より筆者作成 ワコムの決算資料より筆者作成。謎の半導体企業“N社”のゲーミング製品とサーバ製品の変化をほんのり思い出すようなグラフです

 とはいえワコム製品としてもラインアップを更新しないといけないわけで、ボクが見たいのも新しいワコム製品なわけです。はよしてくれ……。

 個人的に期待しているのは、モバイルと気楽なドローイング志向だったMovink 13が号砲になって、長らく更新されていなかった「MobileStudio Pro」が復活したり、iPadと撃ち合える製品に発展していったりしてくれることです。

Movink 13とAndroid端末、これが一体になったら…… Movink 13とAndroid端末、これが一体になったら……

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