ここでいう「最終局面」というのは、分野の終わりという意味ではなく、成熟した分野になったということです。USB Type-C充電器などを思い返して想像してもらうと分かりやすいですが、GaNなどの技術が行き渡り、どのメーカーも小型で大出力が出せるようになって、大手は高級路線に進出し、買う側としても「これを買ったら、当分は新しいのが欲しくならなそうだな」という感覚になる、という感じの最終局面感です。
実際に、XPPenやHUIONなどの海外メーカーは技術が成熟し、20万円前後の価格で堂々とした、出来の良い上位モデルを供給できるようになりました。2024年にレビューした「HUION Kamvas Pro 19」は、タッチ機能の熟成度に隙があるものの、ペン性能の面では満足できる出来でしたし、別の企画で触らせてもらったXPPenのモデルも「これは、ついに一線を越えてしまったか?」というシンプルな驚きが頭をよぎるような、問題のない出来でした。
そこで気になるのが、ワコムの動向です。2024年の目立った新製品は、同社初の有機EL液タブ「Movink 13」ぐらいでした。
ワコムの現状の製品ラインアップは、ちょっと隙が大きいと思います。
で、特に後者2つは、海外メーカーがモダンな仕様の新製品をどんどん出すことで隙を突かれやすくなっています。また、接続や設定などが煩雑なPCよりもiPadとApple Pencilを好む人も増えていく中で、対抗できる製品がありません。
これだけみると、ワコムは大丈夫なのか? と思う人もいるかもしれませんが、全然そんなことはありません。
液タブやペンタブとしては競争環境が厳しい上に「ステイホーム特需」の反動による落ち込みも癒えませんが、Samsungの「Galaxy」といった他社製品のペン技術を担う「テクノロジーソリューション」事業がギャンギャンに伸びています。自社ブランド製品がどうあれ、裏方でもしっかり稼げる企業に、たった数年で変化しているわけです。
とはいえワコム製品としてもラインアップを更新しないといけないわけで、ボクが見たいのも新しいワコム製品なわけです。はよしてくれ……。
個人的に期待しているのは、モバイルと気楽なドローイング志向だったMovink 13が号砲になって、長らく更新されていなかった「MobileStudio Pro」が復活したり、iPadと撃ち合える製品に発展していったりしてくれることです。
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