あなたの死生観は何おにぎり? 石川県の老舗葬祭用品メーカーが「死ンキング16タイプ診断」を作った深い理由:古田雄介のデステック探訪(3/3 ページ)

» 2026年09月03日 06時00分 公開
[古田雄介,ITmedia]
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「死の業界が経済的に日本を救う」

 死ンキング16タイプ診断を公開したところ、1週間で1000人が診断を試し、Xには150近くの投稿がなされた。素早い反響は想定外だったという。

 「Xで見た方がやってみて、それを投稿されてまた別の方が見て……という循環が生まれていてありがたかったですね」

 取引先の葬儀社からも多数の感想が届き、面白がってくれている様子が伝わってきた。西河さんが目指しているビジョンからすると、間違いなく追い風だ。

 「当社だけで広めるのは限界がありますが、全国の葬儀社さんの看板でこの診断ツールを使ってもらったりすれば、桁違いに広まるんじゃないかと。この『死ンキング』という概念を広めてもらったら、死についてもうちょっと気軽に話し合えるようになると思うんですよ。そういう風にB and B to Cが実現できたらいいですね」

 同社は、棺にもなるベッド「ラストベッド」を開発したり、デザイン会社のKenmaと共同でペット専用のグリーフケアアプリ「コノコト」をリリースしたりするなど、従来の葬祭用品メーカーの枠に収まらない活動を続けている。提供工程や収益化などの建て付けはそれぞれでバラバラだが、根底は死ンキング16タイプ診断と同じだ。

三和物産の採用サイト。本サイトよりも先に意図通りの姿にリニューアルしたとのこと

 「つながりが実感できるような新たな別れの形を作る、というのが我々のミッションです。戦後の経済成長の中で死を考える機会はどんどん減っていきましたが、今の日本は逆のフェーズにあります。人生におけるさまざまな関係性やタイミングにおいて死生観を見つめ直す機会を増やすことは、一人一人にとって意味があると考えています。すると経済的にもよい影響が出て、究極のところは日本経済を救うところまでいけるんじゃないかと、そう思うんですよね」

 自社だけで世の中を変えることはできないが、きっかけを生み続けることは可能だ。できるだけこれまでにない視点やステークホルダーを巻き込んで、世の中を変えることを狙っていくという。

 そんな西河さんの診断結果は「暑苦しい天むす」だったとか。天ぷらの高い熱量で周囲を巻き込んでカロリー高めで生きるイメージだ。

 さて、あなたはどんなおにぎりだろう?

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