台湾の半導体メーカーMediaTekが、NTTドコモなど4社が開発したLTE対応通信プラットフォーム「LTE-PF」のライセンス契約を締結した。MediaTekは今後、同社の2G、3GのプラットフォームにLTE-PFを取り込み、LTE対応チップセットをグローバルに販売していく考え。
MediaTekはDVDプレーヤーをはじめとするデジタル家電向けのチップセットや無線通信用チップセットなどを手掛ける1997年設立のファブレスメーカー。中国やアジアの新興市場を中心に2G市場で大きなシェアを獲得している。
今回のライセンス契約により製品化されるLTE対応チップセットの販売時期は明確にされなかったが、MediaTekは2年以内の製品化を目安に事業を展開するとしている。MediaTek取締役会長兼CEOの蔡明介氏は、「MediaTekとドコモの長い関係の第1歩になればいいと願っている」と、長期的にドコモと協業する意向を示した。想定マーケットについては「全ての端末メーカーが対象」とし、日本市場での展開も視野に入れてドコモとの相互接続検証を実施する予定。なお、同社が強みを持つ中国市場について蔡明介氏は「LTEに関しては時期尚早かもしれない」とコメントした。「重要なのは、ドコモとの協業の中で最新のテクノロジーを導入するということ」(蔡明介氏)
LTE-PFは、ドコモ、NECカシオモバイルコミュニケーションズ、パナソニック モバイルコミュニケーションズ、富士通の4社が共同開発したLTE通信プラットフォーム。3GPPによって標準化されているLTE規格に準拠し、下り100Mbps/上り50Mbpsの最大通信速度をサポートする。かねてからライセンス提供が想定されていたもので、今回はその第1弾となる。
ドコモはライセンス提供によるロイヤリティが収入になるが、金額や割合などについては非公表とした。同社の移動機開発部部長 三木俊雄氏は「LTE-PFが搭載されたチップセットを端末メーカーにどんどん売ってもらえれば、LTE対応端末のラインアップが増えることにつながる」と、LTE市場の活性化に期待を示した。
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